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「KAJALLA #2「裸の王様」」(2018年2月28日)

小林賢太郎コント公演 カジャラ#2『裸の王様』Blu?ray [Blu-ray]

小林賢太郎コント公演 カジャラ#2『裸の王様』Blu?ray [Blu-ray]

 

2017年3月から5月にかけて、東京・豊橋・大阪・静岡を巡った公演を収録。

ラーメンズの頭脳として、数多くの名作コントを生み出してきた小林賢太郎が作・演出を手掛けているコントユニット“KAJALLA”による二度目のコントライブの模様が収められている。出演は、久ヶ沢徹竹井亮介菅原永二、辻本耕志、小林賢太郎の五名。竹井、辻本、小林は第一回公演『カジャラ #1 『大人たるもの』』に引き続いての出演となる。……その前回において、久しぶりにラーメンズの共演を目の当たりにして激しくコーフンした者としては、片桐仁の不在が些か残念。また、いつの日か、召喚される日が来ればいいのだが。

『大人たるもの』はオーソドックスなコントの再構築を目指した公演だったように感じられたが、それに比べて、本作で演じられているコントは良くも悪くも力が抜けている。小林賢太郎による演劇公演“KKP”において、筋肉アニキキャラが浸透していた久ヶ沢の登板によって、些か空気が和やかになったためかもしれない。自分の国“オレランド”があったとしたら、そこにはどのような施設や娯楽が溢れているだろうか……と想像する『オレランド』。用があって外出するという鍛冶屋の親方が、三人の弟子たちに毒の入った壺には絶対に触れないようにと気になる言いつけを残す『毒と鍛冶屋ら』。理不尽な言動で相手を再起不能に追い詰める格闘技“RIFUZIN”の緊迫した試合を展開させる『RIFUZIN』。何処を切ってもバカバカしい笑いで満ち溢れている。

その中でも、笑いながらも大いに驚かされたコントが『バニーガード』。全ての社員が頭にバニーの耳を装着している不思議な警備会社“バニーガード”へと再就職にやってきたナゴヤが、バニーたちのナンセンスな会話のやり取りに翻弄され続ける様子が描かれている。このコントには、なんと過去のラーメンズの単独公演に登場した、とあるキャラクターが再登場しているのである。ネタバレになってしまうので、具体的な内容については伏せておくが(タイトルで既にバレてしまっている気がしないでもない)、連続して開催される単独ライブ内でシリーズとして取り扱っていたならいざ知らず、もう十年以上も前の単独ライブに登場した名物キャラクターをいきなり復活させてきたのには驚いた。否、復活したこと以上に、あの小林賢太郎が復活させたことに驚いた。もっと普遍的で観客を差別しない笑いを志しているイメージがあったのだが。年齢を重ねたことで、より柔軟なスタンスを取れるようになったのだろうか。だとすれば、大変に喜ばしいのだが。

ただ、最も楽しませてもらったのは、前回の公演でも披露された「特定のシチュエーション」の中で行われる様々なショートコント集。前回は「診察」に限定した数々のナンセンスコントが演じられていたが、今回の舞台は「オフィス」。スーツを着たサラリーマンたちが、会社の中で縦横無尽にボケまくる。どのネタも面白かったが、個人的には『丘を越えゆこうよ』がベスト。三人のプロフェッショナルによる極上の悪ふざけを堪能させてもらった。

そしてオーラスのコント『裸の王様 ~春夏秋冬~』。正直なところ、極上と呼ぶに相応しいコントでとことん笑わせられた後で、ここまでシンプルな寓話を見せつけられると、なんだか少し興醒めしてしまう。無論、笑いどころは多かったし、最後のダンスパフォーマンスも楽しかったのだが……なんというか「言われなくても分かってるよ、そんなことは」と思ってしまう。それでも、上手く噛み合わないからこそ、世の中はややこしく、だからこそ面白い側面もあるんじゃないか、と。無論、寓話として作られた物語に対して、このようなツッコミを入れるのは無粋なのだろうが、これを良しとするスタンスはどうも私は受け入れがたい。……あくまで、私が受け入れがたいというだけの話であって、こういうのが好きだという人がいても何も問題はない。念のため。

とはいえ、全体的に見れば、楽しい公演である。久ヶ沢は人柄の見えるキャラクターで笑いを巻き起こしているし、辻本は意外なほど多種多様な演技で笑いを引き出すし、竹井はボケもツッコミも器用にこなすし、菅原はいわゆる芸人のものではない演技で観客を世界へと引き入れている。それぞれがそれぞれに魅力を放っている。それだけで、まあ、良しとしてもいいのかもしれない。……でもなあ。

■本編【114分】

「オレランド」「毒と鍛冶屋ら」「尋問」「RIFUZIN」「社長の例え話/馬鹿部長馬鹿部下/名刺交換/丘を越えゆこうよ/入れ替わる社長」「考える人」「バニーガード」「裸の王様 ~春夏秋冬~」