土曜深夜の視聴覚室

Saturday midnight audio-visual room.

「ナイツ独演会「味のない氷だった」」(2017年10月22日・丸亀)

台風が近付いている。

大きな雨粒が重力に乗っかって大地に打ちつけられていく。その軌道を狂わせんばかりに、激しい風が吹き荒れている。ふと、テレビを点けてみると、お馴染みのバラエティ番組を映し出している画面の中で、悪天候を伝える真っ赤な警報表示がさりげなく注意を呼び掛けている。このような天候の日は、何処へも出かけずに自宅でじっとしているに限る……のだが、そんな最中に私は愛車で国道11号線を走っていた。丸亀市で開催されるナイツの独演会を鑑賞するためである。

東京の演芸場を中心に活動している漫才師、ナイツ。ゼロ年代末に「爆笑レッドカーペット」を中心に巻き起こったショートネタブームにおいて、ボケ役の塙がおかしな検索サイトで調べてきた間違った情報を一方的に話し続け、それに対してツッコミ役の土屋がボケを止めずに淡々と訂正し続ける“ヤホー漫才”スタイルで人気を博し、以後、漫才師として高く評価され続けているコンビである。ややゴシップネタ・下ネタに走る傾向が見られるものの、そのシンプルな言い間違い・勘違いに軸を置いた芸風は老若男女を問わず理解されやすい。

そんな彼らが、遂に2016年から独演会による全国ツアーをスタート。それまで国立演芸場横浜にぎわい座などの特定の会場でしか楽しめなかった、多種多様なスタイルの漫才とゲストの実力派芸人たちによるパフォーマンスで彩られるステージを全国各地で体感できるわけだ。今年、その開催地の一つとして、何故か丸亀が選ばれた。他の開催地を見ると、それなりに有名な場所ばかりが選ばれているのに、どうして四国は丸亀が選ばれたのか……理由は分からない、西讃地区に生活圏を持っている私にとって、実に有難い話である。

そして迎えた当日。ナイツと一緒に台風も来たのである。困ったものだ。

自宅から丸亀市までは車で30分程度。開場時刻が午後2時30分だったので、一時間前に出発すれば十二分に間に合う距離ではあったのだが、会場となる「丸亀市生涯学習センター」に駐車場があるのかどうかが定かではなかったため、正午過ぎには自宅を出た。途中、コンビニに立ち寄り、総菜パンと折り畳み傘を購入。運転しながら食べるためのパンに焼きそばパンをチョイスすべきではなかったと、些か後悔した。以後、これといった大きな事件・事故に遭遇することなく、午後1時過ぎに会場へと到着。きちんと施設利用者向けの駐車場があったので、そこに車を停車した。それから、まるでやることがなかったので、とりあえず丸亀城にでも向かってみようか……と、先程購入したばかりの折り畳み傘を片手に外へと飛び出すも、あまりにも激しい雨と周辺の人通りの無さに怖気づき、そそくさと後戻り。結局、センター内をあっちこっちウロウロして、時間を潰した。

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午後2時30分開場。チケットをもぎってもらい、物販コーナーへ。ライブグッズとして千社札・手ぬぐい・日めくりカレンダー、そして過去にリリースされたCD・DVDなどが売られていた。しばらく眺めてみるも、あまり心を揺さぶられず。公演の後に改めてチェックしようと思い、その場を離れて会場へ。席番は“あ-4”。最前列の左から四番目の席に座っていたら、「そこ、私たちの席なんですが」と言われ、慌てて立ち上がった。よくよく確認してみると、端っこの席が“あ-3”という中途半端な番号だったのである。なんともややこしい。席は窮屈でやや粗雑。座るときに思いっきり身体を委ねてみたら、少しだけ席が後方にズレた。大丈夫かいな。

午後3時開演。

ナイツ「漫才」

中津川弦「漫談」

ナイツ「漫才」

ナイツ「漫才」

ナイツ「漫才」

だーりんず「コント:面接」

企画「祝!ヤホー漫才10周年」

銀シャリ「漫才:子どもの頃の遊び・ピアノを習う」

ナイツ「漫才」

ナイツ「日替わり漫才「脳の神秘」」(作:ジグザグジギー池田勝

ナイツ「漫才」

ナイツ「お楽しみ」

会場でスタッフや演目を確認できる冊子を貰ったので、ネタのタイトルを書くことも出来るのだが、今後のツアーやDVD化などの事情を考慮して、ゲストのネタと企画と日替わり漫才だけ書き残しておくことにした。ただ、一点だけネタバレかもしれない程度のことを書き記しておくと……歌ネタが新たな展開を見せていた。あの手法にまだまだ可能性があるとは思ってもいなかったので驚いた。今後が楽しみだ。そんなナイツのネタは当然のことながら面白かったのだが、中津川弦の引き潮のような漫談、だーりんずのしっかりとした安定感のコント、銀シャリM-1王者としての威厳すら感じさせる迫力ある漫才も実に素晴らしかった。

ちなみに、今回の公演のタイトルは、内海桂子師匠の以下のツイートから。

午後4時半に終演。冊子によれば二時間ほどの公演を予定していたようなのだが、台風の影響を考慮して、かなり早めに切り上げたらしい。本来はもっとアドリブが盛り込んでいく予定だったのだろうか。見たかったな。終演後、Twitterでフォローしているおカヨ坊さんと遭遇、中津川弦氏とツーショット写真を撮らせていただく。特にファンというわけではないのだが(←言わなくてもいい)、なんだか激しくコーフンしてしまった。今日の彼のパフォーマンスがとても面白かったからだろう。おかげで、なんだかよく分からないことを口走ってしまったような気がする。忘れよう。

その後、車に乗り込み、とっとと帰路へつく。物販でナイツのCDを購入したので、これを車内で聴きながら帰った。最新のネタを堪能した直後なので、昔のネタに物足りなさを覚えるのではないかと思ったのだが、想像していたよりもずっと面白くて、素直に笑ってしまった。これがオーソドックスの底力か……と感心させられた。

ナイツ爆笑漫才スーパーベスト

ナイツ爆笑漫才スーパーベスト

 

午後6時帰宅。お疲れさまでした。