白昼夢の視聴覚室

この世は仮の宿

「WEDNESDAY CAMPANELLA IN THE BOX TOUR」(2017年7月9日・高松)

高松に“水曜日のカンパネラ”が来るというので、観に行く。

水曜日のカンパネラとは、コムアイケンモチヒデフミ、Dir.Fの三人によって結成された音楽ユニットである。2012年よりYouTube上にて自作曲の発表を開始、翌年にはインディーズでアルバムをリリースするようになる。2014年、11月にリリースしたアルバム『私を鬼ヶ島に連れてって』に収録されている楽曲『桃太郎』のコミカルな歌詞と中毒性の高いメロディが話題となり、注目を集める。2016年6月に『UMA』でメジャーデビュー。現在、笑っていいのかマジメに聴けばいいのか分かりづらいミュージシャンとして、岡崎体育と席を取り合っている。

SUPERMAN (CD版)
 

私が水曜日のカンパネラを聴くようになったのは、2015年11月に鑑賞したライブイベント「でゑれ~祭」がきっかけだった。岡山県出身のラッパー・Boseスチャダラパー)が実行委員長を務める「でゑれ~祭」には、奇妙礼太郎藤井隆バカリズム久住昌之など、地方ではなかなかお目にかかることの出来ない芸能人が多数出演していて、その中に水曜日のカンパネラも名を連ねられていたのである。ただ、私が観に行ったのは一日目で、水カンが出演していたのは二日目だったので、実際にナマでお目にかかることは出来なかった。……と、この辺りの話は、昨年一月に行われたアウトストアライブのレポートに書いているので、そちらを読んでいただきたい。当時は、一般人も行き交う広場をステージとした無料ライブだったが、今回は水カンを目的とした観客だけが集まるライブハウスでの公演である。きっと、前回とはまた違った、彼女たちなりのパフォーマンスを披露してくれることだろう。

以下、当日の記録である。

午前九時起床。諸用を片付けて、午前十時ごろに車で出発。途中、「こがね製麺所」で遅めの朝食。

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ガソリンスタンドで給油を済ませ、高速道路を使って高松へと向かう。友人が経営する美容室で髪を軽快にカットしてもらい、宮脇書店香川県内を牛耳る大型書店チェーン)総本店へ。最近、某所でこっそり視聴した「ザ・ノンフィクション」に出演していて、ちょっとだけ気になっていたpha氏の新刊『ひきこもらない』を購入する。表紙のスマートなデザインがイイ感じ。

ひきこもらない (幻冬舎単行本)

ひきこもらない (幻冬舎単行本)

 

その後、市内へと移動。適当な駐車場に車を停め、本日のライブ会場である高松festhalle(フェストハレ、と読むらしい)の近くにあるネットカフェで開場時刻まで時間を潰そうと考えながら闊歩していると、会場前でグッズ販売の列を見つける。並んだ方がいいのだろうか。しばし悩むが、その場は一旦スルーする。瓦町フラッグの書店コーナーへ赴き、トイレで用を足し、気になる本を軽やかにチェック。それから再度、会場の方を確認すると、先程よりも列の人数が減っていたので、ここぞとばかりに並ぶ。タオル、Tシャツ、バンダナ、過去にリリースしたCDなどが売られていたので、ライブタオルと一般流通していないファーストアルバム『クロールと逆上がり』を購入する。amazonではバカみたいな値段で売られているが、普通に1,500円で買えたので、欲しい人はライブ会場で買った方がいい。ライブタオルは2,000円と少し高めの値段設定だったが、サイズがなかなかに大きかったので、それなりに納得。

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購入したグッズを車に戻し、改めて近場のネットカフェ・快活クラブへ。単行本に比べて電子書籍版の発売が遅いという謎仕様によりなかなか読めないでいた『白暮のクロニクル』(ゆうきまさみ)最終巻と、以前から少しだけ気になっていた『古見さんは、コミュ症です。』(オダトモヒト)を読む。

白暮のクロニクル 11 (ビッグコミックス)

白暮のクロニクル 11 (ビッグコミックス)

 

白暮のクロニクル』はややファンタジー色の強い設定にミステリーを絡めた傑作。その最終巻、果たしてどうなってしまうのかとドキドキしていたのだが、思っていたよりも心に緩やかに突き刺さるような終わり方で、読後しばらく呆然としてしまった。『古見さん~』は想像通りの内容。ちょっとフェティッシュな表紙から、もっとエロス寄りな感じかと思っていたのだが、個性豊かなキャラクター同士のドタバタぶりが描かれたコミカルな作品だった。あと、古見さんが、ごくごく正当に可愛い。いや参ったね。

午後五時半、店を出る。雨のそぼ降る中を高松festhalleへ。チケットを渡すと、1ドリンク制なのでチケットを500円で購入してもらわないといけないと説明される。ドリンク高い。ロビーのバーカウンターでドリンクチケットを渡し、コーラを受け取る。コーラ片手にロビーを物色。大勢のスタッフ、グッズ販売所、コインロッカー。色々あるものだ。コーラを飲み干し、ホールへ。薄暗い空間に沢山の人が詰め込まれている。人と人との距離が近い。年齢層は思ったよりも高いようで、自分のような地方でくすぶっているサブカル者が集まっているのかしらんと思った。

午後六時開演。午後七時四十分終演。ライトを駆使した演出と会場を縦横無尽に動き回るパフォーマンスに魅了されているうちに、ライブが終わってしまった……という印象。ライブハウスでのパフォーマンスというと、アーティストの存在を生々しく感じられるものだと思っていたのだが、プロモーションビデオに見られるような水カンならではの表現を上手く再現できていた。驚いたのは休憩時間の無さ。ほぼほぼノンストップでライブが進行していたように思う。こちらもリズムを刻み続けていたので、終演時にはすっかり足が痺れてしまった。ライブのセットリストを公開しているサイトによると、この短時間に十七曲(+アンコール二曲)を披露していたらしい。コムアイのエキゾチックな衣装(ヘソ出し!)も良かったが、微妙に髪が長くなっていて、一瞬だけ某能町みね子っぽく見えたのはここだけの話。いや、好きだけどな、能町氏。

f:id:Sugaya:20170709194255j:plain終演後、会場から少し歩いたところにあるラーメン屋で夕飯。まぜ麺。写真では分からないが、麺の中にチーズが混入されているので、ちょっとカルボナーラのような後味になっていて、実に美味かった。

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こちらからは以上です。