白昼夢の視聴覚室

この世は仮の宿

「ラバーガールソロライブ「ブラッシュバック・スピノーネイタリアーノ」」(2007年7月27日)

ラバーガール ソロライブ ブラッシュバック・スピノーネイタリアーノ [DVD]

ラバーガール ソロライブ ブラッシュバック・スピノーネイタリアーノ [DVD]

 

2007年3月に恵比寿・エコー劇場で開催されたライブを収録。

ベストネタシリーズ ラバーガール』のリリースを受けて、久しぶりに視聴。当時、同年8月にリリース予定だった『キングオブコメディ 第5回単独ライブ「誤解」』、同年9月にリリースされた『東京03 単独ライブVOL.5 傘買って雨上がる』と合わせて、"人力舎芸人のDVDを三ヶ月連続リリース!”と連動企画のように取り扱われていた記憶がある。ただ、キングオブコメディに関しては、メンバーの高橋健一が痴漢容疑で逮捕されてしまったため、発売延期になってしまったのだが……それがもはや十年前の話である。時の流れの速さに驚かずにはいられない。

収録されているコントもいちいち懐かしい。ドリフ的なオチがバカバカしかった『歯医者』、素っ頓狂な大水のボケと懇切丁寧な飛永のツッコミが冴え渡る『電報』、いつものようにバカなボケを演じているように装っていた大水がふとした瞬間からサディスティックになる『足裏マッサージ』……これらのネタは「爆笑オンエアバトル」でも披露されていたため、特に記憶に残っている。ねぶた祭りの中継で肝心のねぶたをうっかり撮影し忘れてしまう『祭りの中継』、昭和のスターについて解説するはずだった大水が完全に別の話で盛り上がってしまう『昭和のスターBEST10』も、彼らのらしさが光る傑作だ。

ただ、本編で披露されているコントの中で、最も脳裏に強く焼き付いているのは『電車のマナー』だ。当時もとにかく衝撃を受けた記憶があるが、今回の視聴でも激しく脳を揺さぶられるような感覚を覚えた。舞台は駅のホーム。音楽スタジオ帰りのパンクロッカー風の二人組が、下らない話で盛り上がっている。若者らしい、周りの目を気にしていないような振る舞いだ。ところが、いざ電車に乗り込むと、それまで一緒になって騒いでいた筈の飛永の態度が急変する……。この後の展開がまさに“驚愕”の一言なのだが、ここでネタバレしてもその良さは伝わらないと思うので、機会があれば一度ご覧いただきたい。そうだ、この頃のラバーガールには、まだこういったアヴァンギャルドな味わいがあったのだ……。

特典映像は初単独ライブで演じられたコント『ピザ屋』を映像化した作品。ライブバージョンも『ラバーガール ソロライブ「ジェイコブ」』の特典映像で視聴することが出来るので、比較してみると楽しいかもしれない。

■本編【63分】

「歯医者」「電報」「足裏マッサージ」「祭りの中継」「電車のマナー」「昭和のスターBEST10」「ゆう子ちゃん」「すごい人選手権」

■特典映像【10分】

「撮り下ろし映像ネタ「ピザ屋」」