読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

土曜深夜の視聴覚室

芸人のDVDを見てなんやかんやいうブログ

おおなんというノープラン神戸旅(2017年3月4日・5日)

イベント

ニッポン放送 開局60周年記念 オードリーのオールナイトニッポン5周年記念 史上最大のショーパブ祭り」を観に行った日の夜、ひっそりと開催されたリスナー同士のオフ会で顔を合わせたこう☆こう氏が、夫婦で神戸に来るというので会いに行くことにした。こう☆こう氏は福岡県でTシャツの製造・販売をされている方である。当時、私とこう☆こう氏は一瞬しか会話を交わさなかったのだが、派手なファッションとアクティブな言動がとても印象的で、この魅力のカタマリみたいな人物のことをもっと知りたいと、かねてより思っていたのである。そんな最中に持ち上がった神戸来訪の話は、私にとってまさに渡りに船であった。……というのは、実のところは大義名分に過ぎず、本当は「一度、神戸に行ってみたかった」という好奇心によるところが大きかったのだが。えへへへへ(苦笑い)。

当日。家族に地元の駅まで送ってもらい、売店でお土産用の饅頭を購入、高速バスへと飛び乗ったのが午前7時半を過ぎたころ。そのままバスは走り出して、各停留所を経由して、神戸は三宮駅へと真っ直ぐに向かう。三宮駅に到着したのが午前11時50分ごろ。いつも、大阪へと向かうときに通り過ぎる場所に、とうとう降り立つのか……と感慨にふける間もなく、兵庫県民で“ミスター世話焼き”の異名を持つイシダドウロ氏と合流。実は、今回こう☆こう氏が神戸を訪れるのも、そもそもは彼の行きつけのクラブに行くためだった……らしい。詳しくは知らない。私はあまり他人の事情に首を突っ込まない人間なのである。イシダ氏と合流して、すぐさま電車で新神戸駅へと移動する。今回、こう☆こう氏は新幹線でやってくるのだが、この近辺で新幹線が止まる駅は新神戸駅しかないのだそうだ。むしろ、新神戸駅は新幹線を止めるためだけに作られたため、それ以外の楽しめる場所やらなんやらがまったく追いついていない……というのは、イシダ氏の弁である。

新神戸駅でこう☆こう夫妻と合流し、今度はタクシーで南京町の中華街へと向かう。今回、私の神戸旅行の目的をしいて挙げるとするならば、この中華街を訪れることであった。実は、この話が持ち上がった数日後に、仕事上の付き合いがある人物との食事会の席でコンビニの店頭で売られている肉まんの話になり、偶然にも「だったら大阪や神戸で食べた方が断然美味い!」と熱弁されていたのである。だったら行くしかないだろう。面々にこの話を提案してみたところ、こう☆こう氏も中華街の近隣にある餃子屋を訪問したい様子だったので、では全員で向かおうということとなった。

南京町に到着すると、沢山の人で賑わっていた。流石は観光地。連休でもなんでもないごくごく平凡な土曜日でも、多くの人を集める力があるようだ。また、そういった客に対応するためか、とにかく屋台が多いことに驚かされた。あちらこちらでお手軽な点心が売られている。ただ、バリエーションは少ないようで、各屋台で売られている点心は基本的にどれも同じラインナップに見えた。で、どのお店でも、肉まんが売られている。これは困った。どのお店の肉まんが美味しいのか、まったくもって分からない。そんな私に対し、「どれでも菅家さんの食べたいモノを買ってください」と、『大長編ドラえもん のび太の恐竜』において、自分なりに努力して問題を解決しようとしているのび太をあたたかーい目で見守っているドラえもんのような表情で語りかけてくるこう☆こう氏。優しい。とても優しい。でも、その優しさに、ほのかなプレッシャーを感じてしまう私。昔から、私は他人に見られている状態で、何かを決断するのがとても苦手だった。自分の決断の良し悪しを判断されるから、ではない。何故かは分からないが、私が何かを選び、決断する姿を知られること自体が苦手なのである。書店に置いてない本を注文したり、欲しい商品の在庫を確認したり、店員になにかしらかの意志を伝えるのも苦手だった。どうにもこうにも知られたくない性格なのである。……忍者か俺は。

結局、どの屋台にも立ち寄ることなく、こう☆こう氏が行きたがっていた「ぎょうざ大学」へと向かう。表通りではなく路地裏にひっそりと店舗を構えている「ぎょうざ大学」は、それなのに店先に行列を作っていた。人気があるだろう。列に並んでいると、店員から注文数を訊ねられた。「ぎょうざ大学」では、先に必要なギョウザの皿数を提示するシステムになっているという。また、一人最低二人前は頼む必要性があり、追加注文などは出来ないとの説明も受けた。とりあえず四人とも二人前ずつ注文した。店の中に入ると、その狭さに驚いた。カウンター6席にテーブル12席と人数分だけを見ると有りがちだが、人と人との距離感がとても近い。もしや、店先に列が出来ているのは、店内の狭さが原因なのではないか……と、少し勘繰ってしまった。テーブルにはぎょうざのつけダレの精製法が掲載されていた。味噌と辣油が多めで、醤油と酢は少なめ。基本的には味噌がメインのタレのようであった。味噌ダレはこれまで経験したことがなかったので、少しだけ不安を覚えていたのだが、いざ食べてみるとこれが非常に美味しかった。あっさりとせず、こってりもせず、丁度良いおいしさ。これならば、何人前でも食べられる……かもしれない。

「ぎょうざ大学」を履修した私たちには、まだ課題が残されていた。肉まんである。ここでイシダ氏から「老祥記」の肉まんにしたらどうだろうとアドバイスを貰ったので、それに従うことにした。否、厳密にいえば、「老祥記」はかなり早い段階で候補に挙がっていたのだが、中華街のド真ん中にある店先に沢山の行列が出来ているのを見て、そこまでして食べるものではないだろうと判断したのである。……無論、それは単なる詭弁に過ぎず、実際は私の個人的な目的に皆を巻き込むのはどうだろうか、という心配によるところが大きかったのだが。こういう状況下で、他者から背中を押してもらえると、動きやすくて有り難い。幸い、行列は大した長さではなく、ほんの数分で店内に入ることが出来た。一個につき90円の肉まんを五つ購入し、店の外で食べる。手のひらに収まる程度の小さなサイズだったが、肉汁がとても濃厚で美味しかった。

食後、ノエビアスタジアム神戸でサッカー観戦をするというイシダ氏と別れ、こう☆こう夫妻と三人で行動することに……なるかと思いきや、そこに二人の知人だという女性が参加、再び四人に。なにやらとんでもないアウェー感を覚えるが、それもまた楽しい。中華街以外には本当に用事の無かった私は、それからずっと、こう☆こう氏の行きたい場所にただただ付いていくという状態に。服屋、雑貨屋、古本屋、中古レコード店……普段ならばなかなか足を踏み入れることのなさそうな場所へと連れて行ってもらった。なるほど、おしゃれな人はこういった色々なジャンルの色々な物に対して強い興味を抱くものなのだな……と、妙に感心した。私はそのあたり、どうしても感覚がドライである。

気が付けば、時刻は午後4時。あちらこちらを散策して回って、すっかり疲れてしまった私たちは、適当な居酒屋で休憩しようと「さかなや道場 元町店」を訪れた。90分の飲み放題をセッティングし、各々の話に花を咲かせる。主な話の内容は「あの人はそもそもインタビュアー向きじゃないのではない」「どうして菅家さんにはライターの仕事が来ないのか」「菅家さんの文章はロッキン・オンっぽい」「某芸人は本当にクソ」……といったところ。酒に任せて舌が回るの回らないの。ラストオーダーを迎えて、店を出たところで試合会場から戻ってきたイシダ氏と合流、神戸三宮駅から兵庫駅へと電車で移動し、こう☆こう氏の友人が働いているという飲み屋を訪れる。おつまみに砂肝を揚げたものを注文し、こう☆こう氏に「油もの好きねぇ~!」と言われる。この時、こう☆こう氏の声は、ユウキロックマキタスポーツを掛け合わせたような声質だなあと思う。

程々に呑んだところで店を出て、タクシーでイシダ氏行きつけのクラブ「der kiten」へ。いわゆる渋谷系の音楽が延々と流れている店内を、とりあえずリズムに乗ってはいますという程度の動きを取り続けている私。楽しい。知らない曲ばっかりだけれど、楽しい。楽しいけれど、とっても狭い。狭くて、人とぶつかりそうで、ちょっと恐い。海外のバンドによる演奏などもあったためか、とても背の高い外国人の客もいて、ちょっと恐い。荷物を隅っこに寄せている状態もちょっと恐い。色んなことがちょっとずつ恐い。今にして思うに、その時の私はアルコールによる高揚感が頂点に達して、気持ちが落ちていく状態になりつつあったのだろう。そろそろ心の状態が怪しくなってきたような……と思い始めてきた頃合いで、ちょうどお店を出る流れに。正直、助かった。時刻は午後11時を過ぎたころ。まだまだ夜は更けていくが、仕方がない。

こう☆こう氏が空腹を訴えていたので、ラーメン屋(名前失念)へ。チャーシューとラーメンが1.5倍のラーメンCを注文する。オーソドックスな醤油ラーメンで、美味いと言えば美味いが、飽きやすい味にも思えた。食後、私が泊まる予定だったネットカフェ「快活CLUB 三宮駅前店」へと移動する。店の前でこう☆こう夫妻と固い握手を交わし、いずれまた会おうと強く約束し合った。……と、思う。この時点で私の疲労はピークに達しており、もはや記憶が定かではないのである。ただ、「いつか香川に行くから、お薦めのうどん屋へ連れて行ってほしい!」と言われ、「地元の店しか分からん」と突っぱねたような気がする。……なんとも申し訳無い。地元民は地元の店しか知らない、というのは事実ではあるのだが。

話を戻す。受付で個室席を頼もうとすると、「今はオープン席とダーツ席とカラオケ室しか空いていない」「ただ、後で希望の席が空いた場合は、すぐさま席を移動できる」と伝えられる。少なくない荷物を抱えた状態で開けた席を利用するのは不安だったので、まだかろうじて個室状態になれるカラオケ室を案内してもらうことに。ところが、案内してもらった直後に、店員から「カラオケ室は、全部屋満席になりますと、三時間後に空けてもらわなくてはならない」などと言われる。先に言えよ、そういうことは。「じゃあ、三時間経って、希望の部屋が空かなかったら?」と訊ねてみると、「退店してもらわなくては……」。おいおいおいおい。真夜中に土地勘のない神戸の街に放り出されるのかよ。冗談じゃないよ。……と、反論すべきところだったのだろうが、既に疲れ切っている私には店員に歯向かう気力もなく、言われるがままにカラオケ室へと向かうこととなった。

「快活CLUB」自体は過去に何度か利用した経験があるのだが、カラオケ室を利用するのはこれが初めてだった。カラオケ室……というからには、カラオケボックスのようにしっかりとした椅子などが置かれているそれなりに広々とした個室なのだろうと思っていたのだが、実際に入ってみると、カウンターだけのラーメン屋のような空間だったので驚いた。後に、ホームページで確認したところ、そこは“ワンツーカラオケ”という1人~2人向けのカラオケ室だった。なるほど。それならば通常のカラオケボックスほどの広さは必要無い。それよりも問題なのは、このカラオケ室の椅子が、足にローラーが装着された動くタイプの椅子だということだ。動かない椅子であれば、まだカウンターに顔を突っ伏すように眠れるが、椅子が不安定だとそれもままならない。そこで、いっそ思い切って、床に寝っ転がってしまうことにした。本来、横になるための床ではないので、背中が痛くなってしまうことも危惧されたが、アルコールの力も手伝って、意外に苦労なく眠れた。とはいえ、いつ外に追い出されるのか分からない不安から、何度か目を覚ましてしまったのだが……。

翌日、午前5時に起きた。こんなに早く起きなくてはならない理由も無かったのだが、下手に寝過ぎてしまうよりはマシだろうと判断した。スマートフォン片手にだらだら過ごしていると、午前6時を過ぎた頃に内線が鳴る。カラオケを利用したい人がいるので、移動するか退店するかしてもらいたいという。そろそろ店を出ても問題のない時刻ではあったのだが、もう少し時間を消化しておこうと思い、席を移動する。個室のリクライニング席だ。店内のパソコンで観賞できるアダルト動画の御都合主義的展開を楽しみながら、だらだらと無駄に時間を潰し、午前8時を過ぎたあたりで店を出た。お会計は2,000円足らず。ネットカフェに泊まるのも久しぶりだったので、その値段の安さについて改めて驚かされてしまった。

店の外に出ても、何もやることがなかったので、大きめの荷物をコインロッカーに預け、しばらく神戸の街をフラフラと歩いて回った。早朝の都市は昼間とは違って人気も少なく、まるで違う場所に来ているかのような錯覚を覚える。これもまた旅行のヨロコビの一つである。

f:id:Sugaya:20170306053716j:plain

f:id:Sugaya:20170306053724j:plain

f:id:Sugaya:20170306053734j:plain

午前10時、再び中華街へ。昨日、ついつい遠慮してしまって、食べられなかった他店の肉まんを買い漁る。お店ごとに多少の味付けは違っているが、大きな違いはないように思えた。結局、一番美味しかったのは「老祥記」だったように思う。食後、駅前に移動して、お土産を買い回る。神戸は洋菓子が充実しているというので、ついついアレもコレもと、なんだか必要以上に色んなものを買ってしまった。

午前11時45分、帰りのバスに乗り込む。お疲れさまでした。