白昼夢の視聴覚室

この世は仮の宿

「じわじわチャップリン」(2017年1月28日放送)

「入れ替わり」。お互いの不注意でぶつかってしまった二人の中身が入れ替わってしまう。映画『君の名は。』の影響を感じさせられる設定だが、それよりもずっと以前に作られたネタだったように記憶している。むしろ、当時は古臭いベタな設定の一つでしかなかった筈で、その状況がほんの数年のうちに一変してしまったわけだ。二人の中身が入れ替わってしまうという非常事態に対し、意外と大丈夫かもしれない……と、すぐさま落ち着きを取り戻してしまうギャップが笑いとなっている。また、お互いの仕事、恋人、住居などを確認し合っても、さほど支障は無さそう……と簡単に納得してしまう姿に、ほのかなシニカルさを感じさせられた。案外、人間の個性なんてものは、この程度の代物なのかもしれない。

 

  • センサールマン33

「かさ地蔵」。一週勝ち抜き。前回のオンエアでは「うさぎとかめ」を競馬実況中継風にお届けするという、競争をテーマにした昔話に現実の競争を当てはめた意外性の薄いネタを披露していたセンサールマンだったが、今回のネタは面白かった。“恩返し”をテーマにした昔話の定番として知られる「かさ地蔵」の世界でしれっと受け入れられている「地蔵が動いて、家にやってくる」という設定をクローズアップ、怪談話風に仕立て上げている。基本的には、前回のオンエアと同様「元ネタの昔話とのギャップ」を軸としたネタなのだが、ほのぼのとした昔話を恐ろしい怪談話に変えてしまう意外性が、より大きな笑いを生み出していたように思う。お経を読み上げたり、家の前で「ここじゃ!ここじゃここじゃ!」と大声でがなり散らしたり、恐怖描写をリアルで良かった。表現力の高いコンビなので、切り口が上手くハマると、本当に面白くなるな。

 

【ふきだまりコーナー】

インポッシブル、ペコリーノ、えんにちオジンオズボーン、カミナリ、サンシャイン池崎、下村尚輝、すゑひろがりず、てんしとあくま、なすなかにしハリウッドザコシショウ、ばーん、プラス・マイナスが登場。「特技を使ったギャグ」というテーマの元、プラス・マイナス、ばーん、オジンオズボーン、インポッシブルがギャグを披露した。

 

  • イヌコネクション34

「職員室」。一週勝ち抜き。クラスメートの遅刻について意見するために職員室の担任の元を訪れた生乾木。しかし、そのクラスメートには、遅刻せざるを得ない理由があった……。前回のオンエアでも登場したキャラクターが再登場。しかし、簡単に激高してしまう性格をシンプルに描いていた前回に対し、今回はありがちな設定に気持ち悪いキャラクターを配置するだけの面白味に欠けたコントで終わってしまっていた。自分たちの何がウケているのか、何が受け入れられているのか、あんまりよく分かっていないのかもしれない。次回は果たして、どんなネタを……(って、もう既に見てるんだけども)。

 

  • ワールドヲーター【18】

「浪漫~ロマネスク~」。一週勝ち抜き。古き良き時代のオタクを思わせるビジュアルの四人組によるダンスパフォーマンス。前回のオンエアで先細りを心配したが、まさか早くもネタ切れを起こすとは思わなかった。それだけならまだしも、傘で姿を隠すというパフォーマンスに関しては、まったく意味が分からなかった。オタクな見た目の人たちがダンスパフォーマンスを行うから笑いが起こるのに、それを隠してしまうとはどういう了見だ。最後に傘回しをするかのように見せかけてやらない(出来ない)というくだりは面白かった。ああいうボケを上手く散りばめられていれば、もう少し良い試合が出来たかもしれない。

 

【今週のふきだまり芸人】

てんしとあくま「ラッパー」

ハリウッドザコシショウ「誇張し過ぎた五郎丸」

カミナリ「アメリカに行くのを止める」

 

次回の出場者は、イヌコネクション(二週勝ち抜き)、うしろシティ(一週勝ち抜き)、センサールマン(二週勝ち抜き)、ばーん。