白昼夢の視聴覚室

この世は仮の宿

「じわじわチャップリン」(2016年11月5日)

「将棋解説」。一週勝ち抜き。将棋盤を用いた「男女交際解説」、今回は浮気の疑惑が持ち上がっている男に詰め寄る女のやりとりを解説する。基本的なシステムは前回と同じ。将棋盤を用いているにもかかわらず、将棋のシステムをさほど応用していないところが物足りない。ただ、今回はアクセントとして、並んでいる将棋の駒がある熟語になる仕掛けと、名人が男の気持ちを強く代弁する山場を折り込んでいたため、前回からの進展を感じさせられた。とはいえ、せっかくのネタ番組なんだから、他のスタイルのネタも見てみたい気持ちはある。

 

「喫茶店」。携帯電話をかけながら喫茶店にやってきた男性が、電話の相手に自分が喫茶店に入ったことを伝えるために、何度も何度も大声で「喫茶店!」と叫び続ける。同じパターンのボケを何度も何度も繰り返し続けるジグザグジギーの真骨頂ともいえるコント。「携帯電話に向かって延々と叫び続けている宮澤」の動かし方が見事で、その展開は何度見てもスリリング。ただ、そのスリリングさが故に、池田の面白いツッコミがさらりと受け流されているところは残念。思わぬ効果で店に客を呼び込んでいる宮澤が店内に戻って来た時の「何故お戻りに、神様!」はかなり面白かったのだが……あれは池田の声もちょっと控えめになっていたのが良くなかったかな。何にせよ、面白かった。ネタ後のトークでウッチャンも言っていたが、こういうてらいのない設定の方がジグザグジギーは映える。

 

【ふきだまりコーナー】

アイロンヘッド、イヌコネクション、インポッシブル、助走、ハナコ、はなしょー、ハブサービス、平野ノラ、マツモトクラブ、むらせ、トンツカタン、のばしぼんが登場。「運気が上がりそうなギャグ」というテーマの元、助走、アイロンヘッド、ハブサービス(アメコミの目玉のおやじ)、平野ノラがギャグを披露した。……助走って、確かマイるどミルドとブーブートレインのユニットだったと思うんだけど、もう本格的にカルテットでやっているのだろうか。

 

「下から読んだらSOなのNE」。二週勝ち抜き。上から読んでも下から読んでも意味が成立している文章を、ヒップホップ調で読み上げていく。これまでは単なる回文を取り扱ったネタだったが、今回は逆さ言葉を用いることで前後の構成で笑わせやすい内容に。まったく関係性のない文章が、逆さ言葉というだけで一つながりになる面白さがいい。ただ、一番笑えたのは、サビのメロディが流れているときに披露される、手賀沼の珍奇なダンス。リズムと合っているのに、不思議とぎこちなさを覚えるあのダンスのなんともいえない味わいに、笑いを抑えることが出来なかった。ああ、悔しい。三週連続勝ち抜きでチャンピオン大会出場決定!

 

  • 勝又:【17】

「餅つき」。餅つきをする二人。餅つきの呼び声のままに会話する二人。ある種、わらべ唄の中でドラマが展開するラーメンズの『なわとび』に近いモノがあるのかもしれないが、杵でaniをブン殴るくだりがあったり、臼の中にaniのメガネが入っていてグニャングニャンの状態で発見されたり、こちらの方が圧倒的にサディスティック。こういうネタは観客にウケにくいだろうなあ……と思いながら見ていたが、そもそもネタ自体がかなり短かった。そりゃあ、この短さでは点数も低いだろう。ただ、このネタを長くしても、それはそれでキレ味が悪くなるような気がする。しょうがないのか。しょうがないのかもしれないな。

 

【今週のふきだまり芸人】

インポッシブル「ミステリーサークル」

ハナコ「現地取材」

マツモトクラブ「突然の雨」

 

次回の出場者は、アイロンヘッド、アナクロニスティック(二週勝ち抜き)、インポッシブル、ジグザグジギー(一週勝ち抜き)。