白昼夢の視聴覚室

この世は仮の宿

「じわじわチャップリン」(2016年10月15日)

「ラジオ」。ラジオのお悩み相談に送られてきたリスナーからのメールをチェックするも、年齢、職業、お悩み相談のバランスの悪いメールばかりで、なかなか採用できない。大喜利形式のコント。彼らが一時期よく演じていた『席順』のネタに似ているかもしれない。思うに、内容の独創性よりもバカバカしさを重視したつくりにしているのだろうが、この設定だと、もっと面白いコントに仕上げられそうなコンビを他にも容易に想像できるので、もうちょっと設定に捻りを加えた方が良かったのではないかという気がしないでもない。

 

  • ロビンソンズ43

「ホームルーム」。男子から「ブス」などの悪口を言われがちな女子の北澤が、男子のイジるときの表現力の乏しさを嘆く。見た目をイジられる側の人間が逆にイジりに対してダメ出しするというフォーマットは悪くないし、ネタの内容もよく出来ている。「こっち見るなブスゴリラ女!」を「森に帰れメスゴリラ!」に修正したところや、ボードの後ろからびっくり箱のように飛び出すところなどは、ちょっと声をあげて笑った。オチで得意げになってしまっている教師役の山崎の言い方も完璧。ただ、なんとなく北澤の演技が振り切れていないように感じられて、全体的に無理をしているような印象を受けた。彼らと同様に、ブサイクであることをイジられがちなアインシュタイン稲田直樹のような、反撃の爽快感を覚えないのである。ただでさえ、泣き顔でウェットな印象を与える顔面をしているのだから、その分だけ、もっと開き直っているところを見せてほしい。そうなっていかないと、ザ・ゴールデンゴールデンの過去は乗り越えられないぞ。

 

【ふきだまりコーナー】

アイロンヘッド、アナクロニスティック、Aマッソ、むらせ、手賀沼ジュンなすなかにし、のばしぼん、ハルカラ、平野ノラ、ハブサービス、プラス・マイナス、オジンオズボーンが登場。「秋らしいギャグ」というテーマの元、なすなかにし手賀沼ジュン、のばしぼん、綾部祐二+平野ノラがギャグを披露した。途中、ピカチュウに扮した、ハブサービスに触れる場面も。

 

  • サイクロンZ35

「子供に野次られるマジシャン」。二週勝ち抜き。マジックショーの最中に子供から野次を飛ばされて、パフォーマンスに集中できないマジシャンを描いた一人コント。けっこう前からやっているネタだが、相変わらず面白い。もとい、以前に見たときよりも観客からの野次のバリエーションが増えていて、より面白くなっている。お母さんを指名した時の「ママ行かないでーっ……ママ行かないでーっ!!!」には笑った。子供が本当に言いそうな口調をハメこんでいる。ちょっと勿体無いなと思ったのは、子供が台詞を言い切ってしまう前にツッコミを入れていた場面があったこと。全ての台詞を把握しているからこそ、やってしまいがちなミスだった。三週連続勝ち抜きでチャンピオン大会出場決定!

 

  • 鬼ヶ島【28】

もののけ姫」。昨夜、テレビで『もののけ姫』を見て、もののけ姫ごっこをやりたがっている意中の女子のため、その遊びに野田が協力する。元々は常識的な立場にあった筈の人間が、状況に巻き込まれることで気持ちが盛り上がってしまい、発端となった人よりも勢いづいてしまう様を描いたコント。構成そのものはありがちだが、テーマが独特過ぎて、他に類を見ない不思議な味わいのネタに仕上がっている。「野田族」というワードの強さもいい。「野田が、野田族として、育て上げたのだ!」の下らなさよ。オチもサイコー。ただ、根本的な問題として、テーマが版権ネタなので、どんなに独創的な内容にしていても、どうしても古臭さが漂ってしまうという……どうして今のタイミングでこのネタを持ってきたのだろうと少しだけ疑問に思ってしまった。いや、笑ったけどな。

 

【今週のふきだまり芸人】

Aマッソ「JUJUの上唇」

次回の出場者は、ジグザグジギー(一週勝ち抜き)、手賀沼ジュン、のばしぼん、ロビンソンズ(一週勝ち抜き)。のばしぼんはフォルムが凄く漫才師っぽいけれど、実際のところはどうなんだろう。楽しみなような、不安なような……。