白昼夢の視聴覚室

この世は仮の宿

「じわじわチャップリン」(2016年5月21日)

「ダブゲージイリュージョン」。2週勝ち抜き。過去二回分の感想でも書いたが、手品師の笑いはいわゆる漫才やコントのお笑いとは少し違った扱いを受けている。何故かというと、手品師の本分はあくまでも手品によるパフォーマンスであって、その流れで生まれる笑いは付随するものだからだ。そのため、笑いという点にのみ限定すると、彼らは他の漫才師・コント師よりも甘めに評価されているといわざるを得ない。……とはいえ、パフォーマンスで観客の気を引く実力は確かなもの。納得の結果である。3週連続勝ち抜きでチャンピオン大会出場決定!

 

「ランキング」。近年におけるオジンオズボーンの漫才は篠宮の自由奔放なボケが評価されているように思うので、今回の様に「ランキングを発表する」という枠の中に収めてしまうと、これまでに彼らが披露してきた漫才と比較して、どうしても物足りなさを覚えてしまう。むしろ、今回の漫才においては、篠宮のキャラクターがネタの面白さをジャマしてしまっている気すら。とはいえ、これまで通りの漫才をやり続けていくと、それはそれで観客が飽きてしまうだろう。篠宮を自由に泳がせているように見せながらも、新しさを見出している漫才を考えなくてはならない。難しいだろうが、そういう道を選んでしまったのだから仕方ない。なんとか頑張ってほしい。……ただ、今回の漫才で彼らが合格できなかったのは、単純に三週連続で合格した経験があるから厳しく見られただけのようにも思う。

 

【ふきだまりコーナー】
アキラ100%、イヌコネクション、インデペンデンスデイオジンオズボーン、ギャルズ、サンシャイン池崎、GAG少年楽団、ダブルブッキング、はまこ・テラこ、平野ノラ、魔族、マツモトクラブ、モグライダー、ゆにばーす、ラフレクラン冷蔵庫マンが登場。「富士山くらいスケールの大きいギャグ」というテーマで、ラフレクランオジンオズボーン、サンシャイン池崎がギャグを披露した。

 

  • しゃもじ【27/50】

「けんか」。不良に絡まれているところを助けにきてくれた先輩が、一コ下なのに「けんか弱い……」。「けんか弱い」「口げんか強い」「日差し強い」などのように、「弱い」「強い」のローテーションだけで構成されたストイックなコント。こういうシンプルな構造のネタは構成力と表現力が高くないと出来ない。そして、彼らはその点において、非常によく出来ていたと思う。それでも、こういう結果に終わってしまったのは、やはり羅列しているだけのように見られてしまったからなのかもしれない。……或いは、オジンオズボーンと同様に、彼らも以前に三週連続で合格した経験のあるコンビなので、厳しく審査されたのかもしれない。

 

  • インディアンス40/50】

「ハモリ」。2週勝ち抜き。こちらもオジンオズボーンと同様、過去の挑戦に比べて田渕の自由度が減少。しかし、前半パートで田渕が歌唱力の高さを観客に見せつけることで(しかも本気で上手い)図に乗るくだりを強調、ハモリに協力させられているような印象を上手く払拭していた。「らくらくチャップリン」というフレーズが出た時点で勝利を確信するも、直後に輪唱が当たり前のように始まる流れに少なからず違和感を覚えたが(なんで徳永英明の『Rainy Blue』で輪唱するんだよ)、こちらに考える間を与えずに、勢いとノリで一気に駆け抜けた。3週連続勝ち抜きでチャンピオン大会出場決定!

 

【今週のふきだまり芸人】
魔族「SMコント「いっこく堂プレイ」」

ギャルズ「それぞれの特技」

 

次回の出場者は、イヌコネクション、マツモトクラブ、ゆにばーす、ラフレクラン。イヌコネクションとマツモトクラブはリベンジ戦!