白昼夢の視聴覚室

この世は仮の宿

「じわじわチャップリン」(2016年5月7日)

  • インディアンス41/50】

「理想の結婚」。28歳になって、そろそろ結婚を考えている木村が、相方の田渕に奥さんと子どもを演じてもらって結婚生活をシミュレーションする。番組中、田渕のキャラクターがアンタッチャブル山崎弘也を思い出させると言及されていたが、漫才だけを見ると、そのスタイルはむしろ後発のエレファントジョンを思い出させる。一つ一つのボケで、話の流れをジャマしているあたりがよく似ている。ただ、あくまで相槌というカタチで相方の話を邪魔しているエレファントジョンに対し、彼らの漫才はボケに対してギャグをどんどん重ねていくスタイル。「お風呂にする? ご飯にする?」というありがちな問い掛けに対して「お風呂でご飯!」とこれまたありがちなボケを重ね、更に「浴槽でお味噌汁を作りましたー!」「飲んで濃ければシャワーで薄めろー!」と勢いで重ねていく様はもはや圧巻の一言。ギャグのキレ味を含めて、非常に満足感の残る漫才だった。即戦力の予感。

 

  • サンシャイン池崎34/50】

「トトロ」。スタジオジブリの名作映画『となりのトトロ』のストーリーを、サンシャイン池崎が1分間に凝縮してお送りする。誰もが知っている物語をモチーフとした一人コントである。こういうパターンのネタといえば、『桃太郎』や『シンデレラ』のような童話を扱ったものが主流だと思っていたのだが、まさか『となりのトトロ』という現代の作品の全編をパロディ化したネタが出てくるとは。こんなことを言っては不粋かもしれないが……いいのか、それ。池崎的にはアリなのか。色々と思うところはあるが、実際問題として面白かった。ハイテンションなトーンでフザケているように見せながら、細かい所でしっかりと笑いを取りに行くあたりに根の真面目さをしみじみと。「だってそれ、コンバース!」は地味ながら笑ってしまった。あと、ネタの終わりの、あのポーズの変な間はなんなんだ……(笑)

 

「ボーリング」。マジシャンのSADAとアシスタントのおだじによるパフォーマンス。今回はスケッチブックの中からボーリングの球を取り出すなどのマジックを披露する。きちんとしたマジックを披露するSADAに対し、ボケたり目立とうとしたりするおだじという組み合わせが面白い。……まあ、『爆笑オンエアバトル』でも、『爆笑レッドカーペット』でも、観たことのあるスタイルなんだけれど。しかし、役割がシンプルなだけに、このスタイルはなかなか飽きられにくい。残り二週、観客を驚かせ、尚且つ、笑わせ続けることが出来るのか。

 

【ふきだまりコーナー】

アキラ100%、モグライダー、しゃもじ、平野ノラ、ゆにばーす、ラフレクランオジンオズボーン、ギャルズ、ダブルブッキング、GAG少年楽団冷蔵庫マン、魔族、はまこ・テラこ。マツモトクラブ、インデペンデンスデイ、イヌコネクションが登場。前回に引き続き「元気の出るギャグ」を、平野ノラ、ギャルズ、マツモトクラブが披露した。

 

「カラオケ」。1週勝ち抜き。会社の先輩・土谷の送別会からの流れでカラオケボックスにやってきた三人。そこで後輩の二人が土谷の好きな湘南乃風の『純恋歌』を捧げることになるのだが、アドリブで下池が小粋な替え歌を披露したため、ラップパートを担当するはずだった岡安が呆然としてしまい……。アドリブに異常に強い下池とその姿に気圧されてしまいグズグズになってしまう岡安の対比だけを描いたコント。前回の『渋滞』と同様、ネタの流れが丁寧に作られているが、今回はコメディアンとしての岡安の面白さをより強調。下池の替え歌をパクった挙句「リスペクト!」とか言ってしまう小物ぶりも含めて、実に素晴らしい演技だった。また、下池は下池で、こういう小技が上手そうな雰囲気があるんだよなあ。

 

【今週のふきだまり芸人】

ダブルブッキング「コント「強めの着信拒否」」

オジンオズボーン「肩と肩がぶつかって……」

 

次回は、インディアンス(1週勝ち抜き)、キャラメルマシーン(1週勝ち抜き)、サンシャイン池崎(1週勝ち抜き)、ななめ45°(2週勝ち抜き)が出場。