土曜深夜の視聴覚室

芸人のDVDについてなんやかんやいう

「bananaman live LIFE is RESEACH」(2016年2月2日)

bananaman live LIFE is RESEARCH [DVD]

bananaman live LIFE is RESEARCH [DVD]

 

2015年8月13日から16日にかけて俳優座劇場で開催された単独ライブを収録。

今やテレビでは目にしない日がないといっても過言ではないバナナマン。実力については言わずもがな、「そんなバカなマン」「オトナ養成所 バナナスクール」「バナナ♪ゼロミュージック」などの冠番組を抱えている一方で、ひな壇やパネラー、コメンテーターとしての仕事もきっちりとこなすフットワークの軽さが評価されているのだろう。そんな多忙の身であるにも関わらず、彼らは年に一度の単独ライブを決して欠かしたことはない。芸人の単独ライブ自体が珍しいと言われていた時代から、新作コントを常に生み出してきた彼らにとって単独ライブは、テレビバラエティという移ろいやすい世界に生きながらも変わることなく在り続ける故郷のようなものなのかもしれない。

しかし、コントの質は、以前に比べて大きく変化している。

かつてのバナナマンは、緻密な台本で世界観を作り上げていくスタイルのコントを演じていた。「友人にカボチャを交換条件になんでも言うことを聞いてくれる奴隷になってくれないかと持ち掛ける」「友人の部屋でうっかり嘔吐してしまった男がそれをなんとか隠し通そうとする」など、台本の段階で既に笑いが起きるように完成されていた。だが今は、少しだけ違っている。今のバナナマンのコントは、それぞれのキャラクターが確立されていることを踏まえた上で作られている。とりわけ、体重もコメディアンとしても肥大した日村勇紀の扱いは、他のどのバラエティよりも上手い(考えてもみれば当然のことだが)。芸人としての側面とタレントとしての側面が矛盾することなく完璧に両立している今こそ、バナナマンとして完璧な状態といえるのかもしれない。

本編に収録されているコントでも、日村の魅力がてんこ盛りだ。同窓会で代表スピーチを頼まれることになった日村がことあるごとに「たすけてーっ!」と救いを求めるオープニングコント『Re union』は、日村の蛭子能収を思わせるフォルムを徹底的にイジり倒している。バンコク旅行を控えているジャージ姿のカップルが某ドン・キホーテで買い物をしている姿を描いた『Preparation Bangkok』では、愛する彼女の言動に踊らされる愉快な彼氏を熱演。元ヤン特有の軽妙な語り口がたまらない。日村が設楽からケツの穴を見せるように要求されるという衝撃的な導入で幕を開ける『Positive spiral』は、パフォーマーとしての日村を楽しめる逸品だ。恥も外聞もない姿で歌い踊る姿を目に焼き付けてもらいたい。無論、そこで巻き起こっている笑いは、日村だけによる功績ではない。時に日村を追い詰め、時に日村をアシストし、時に日村を不条理へと巻き込んでいく設楽統という相方が居てこそのものである。

これらのコントに加えて、今回は幕間映像も魅力的なものが多かった。何を言われても特定のワードだけを口にしなくてはならないゲームに二人が興じる『言えるかな?』、日村が逆上がりをするまでの道中をコミカルな曲とともにお送りする『逆上がり出来るかな?』、日村が絶対に外れないバスタオルの巻き方を説明する『バスタオル~少々のことでは取れない巻き方~』など、二人のキャッキャしている姿がとても楽しい。

そして今年も、バナナマンの夏が近付いている。

■本編【125分】

「Re union」「Preparation Bangkok」「言えるかな?」「メリケンさん~ピチ太郎の恋~」「逆上がり出来るかな?」「Positive spiral」「全部日村になっちゃうよ。」「赤えんぴつ」「バスタオル~少々のことでは取れない巻き方~」「LIFE is RESEARCH」