土曜深夜の視聴覚室

芸人のDVDについてなんやかんやいう

「こそこそチャップリン」(2016年2月13日)

「ホストクラブ」。ホストクラブに行きたいという姉の要望でホストクラブのコントへ。コントが始まるまでの「え? お手洗い?」「保険料も未払いだっていうのに?」の時点で、もうお腹いっぱい。熟年漫才師がさらりと処理してしまいがちなボケを、結成9年目のコンビがやっているというだけで、どうしてこんなに面白いのか。肝心のネタも熟年推し。デイケアサービスだの、『西遊記』の岸辺シローだの、ネタに対する視点がギリギリ伝わる程度の古臭さ。だからこそ、唐突に挟まれる謎のコーラスパートが、また妙なアクセントとして生きてくる。終盤、カボチャの煮付けを渡される際の「奥様だけよ友達なの、もう山口さん全然信用できない」に至るまで、実に高水準・高密度・高齢層な漫才だった。

 

  • 勝又29

「新人と監督」。1週勝ち抜き。野球部の監督が何も分かっていない新人を指導する。メジャーリーグもアメリカもバットも何も知らない新人の立ち振る舞いに、ジャルジャルのコント『理解不能者』を彷彿とさせるところが見られる。とはいえ、話している内容が通じていたからこそ意図の通じなさに妙な緊張感が生じていたジャルジャルのコントに対し、こちらは純然たるバカコントに仕上がっている。バットの意味が分からずに、差し出されたバットが差している方向を探すボケの意味の無さにはたまらないものがあった。とはいえ、徹頭徹尾ユルめのボケばかりだったため、観客の嗜好次第では落選も有り得たのではないかと思う。今回は運が良かった。

 

【ふきだまりのコーナー】

なすなかにし、平野ノラ、スーパーニュウニュウ、ザ・ギース、サッチ、大福、エレファントジョン、ドドん、インデペンデンスデイ、オーストラリア、ゆにばーす、BBゴロー、相席スタート、パーマ大佐が登場。双眼鏡で吉田栄作じゃなくて佐藤B作を見ていた「平野ノラ」、土田と仕事した経験のある「ゆにばーす」、「いえーい!」と叫ぶゆにばーす・はらと謎の共鳴を見せた「スーパーニュウニュウ」をクローズアップ。

 

  •  メイデン玉砕05

「新しい王様の誕生」。新しい王様になる赤ん坊の王子を触れないように、王子が眠るベッドと二人の乳首をロープと洗濯バサミによって繋いで、ゆっくりと玉座へと運ぶ。肉体を駆使した芸としては一つの完成形になっているものの、こういうネタはこの番組では評価されないだろう。まあ、こういう番組で評価されなくてはならない類のネタではないので、何も問題はないと思うが。あえて苦言を呈するとすれば、『うつけもん』『オサレもん』『ツギクルもん』でやっていたパフォーマンスに比べると、ややクリエイティブ性に欠けていたか。もっとバカバカしい発想で身体を張っていけば、ひょっとしたらこの番組でも評価されるかもしれない。

 

「めがね」。2週勝ち抜き。オシャレのためにめがねを買った山本に対して、めがねの先輩である関が「めがねって……医療器具だから!」と反論し始める。「めがね」という日常的なアイテムをテーマに、「オシャレアイテムとしてのめがね」「コンプレックスを隠すためのめがね」「目が悪いからめがねが必要」の三ブロックで構成した漫才。こんなに色んな話題を盛り込んでいるのに、話の流れがスムーズに進んでいるところに確かな技術を感じさせられる。めがねユーザーである関によるボヤキ漫才としての側面が大きいためか、ボケに共感できる部分が少なくない点も無視できない。私もめがねを愛用しているのだが、「アイウェア!?」には笑った。いつからめがねをアイウェアって呼ぶようになったのか……。それでいて「お前が生まれてきた意味は……納税だよ!」だとか、「厳しすぎるだろ!」「うるせぇクソ野郎!」「シンプルに口が悪い!」だとか、純粋にアホなやりとりも。笑いの量はこれまでのネタに比べて控えめだったが、妙に熱量の高い良い漫才だった。3週勝ち抜きで春の特番への出演が決定!

 

次回の出場は、阿佐ヶ谷姉妹(1週勝ち抜き)、エレファントジョン、勝又(2週勝ち抜き)、サッチ。