白昼夢の視聴覚室

この世は仮の宿

ここ数年で一番出来が良い「第17回東京03単独公演「時間に解決させないで」」(岡山公演)

東京03の単独公演を鑑賞するために岡山へ出かける。

 

会場は「おかやま未来ホール」。以前の単独まで使われていた「さん太ホール」の約二倍のキャパシティを誇るそうだが、無事にチケット完売となったらしい。この調子なら、いずれまた四国でも単独公演を開催してくれる日がくるかもしれない(※2012年の単独公演「後手中の後手」を最後に、四国での単独公演は一度も開催されていない)。

 

開演前、ロビーで長蛇の列を作っていた物販コーナーでは、Tシャツ、クリアファイル、タオル、ボールペン、パンフレット、劇中歌CDといったお馴染みのものに加えて、新たにノートが販売されていた。洒落たデザインに少しだけ興味を抱いたが、余計な出費は控えようと思い直し、いつも買っているパンフレットと劇中歌CDのみを購入。合わせて3,000円。パンフレットには。これから披露されるコントの解説などが書かれているため、ライブの開演前には目を通さないように呼びかけられているが、ついついちょっとだけ開いてしまった。「キングオブコント2015」「コウノドリ」の話題が出ていて、なんだかニヤニヤ。

 

17時30分開演。19時40分閉演。

 

ここ数年で一番面白い公演だったのではないだろうか。細やかな着眼点に固執するわけでもなければ、演者のパフォーマンスに頼りすぎるわけでもない(角田は相変わらず暴走を繰り広げていたが)、台本のクオリティと演者のポテンシャルが適度に噛み合っていて、素直に楽しめた。楽曲のクオリティも高く、オープニングテーマには大笑いしたし(これまでの03単独のオープニングテーマを知っていると、より笑える内容)、エンディングテーマには共感から来る切なさがあった。幕間のレコーディングを思わせる映像も格好良かったなあ。また、これは意図的にそうしていたのかは分からないが、かつての東京03の名作を思わせる設定のコントが多く(「コンビニ」「お見舞い」「告白」などなど)、原点回帰というか、当時から今に至るまでの変遷を感じさせられた。オークラが手掛ける長尺コントも上々の出来。色々な意味で賛否両論だった悪ふざけ公演を経て、憑き物が落ちたのかもしれない。

 

終演後は、いつものグッズ購入者を対象とした握手会。無論、参加する。物販以上の行列が出来ていたが、三人がいつもよりもスピーディーに握手を交わしていたので、けっこう早めに自分の番が回ってきた。角田には「これまでで一番、曲が良かった」、飯塚には「これまでのコントを思わせる設定のネタが多くて良かった(今にして思うに、本意が伝わっていない気がする)」、豊本には「○○○○(コント中に出てくるとあるワード)が良かった」と、一言ずつ伝えた。

 

エンディングのトークによれば、今年中にもう一度、単独公演を開催するつもりらしい。無論、あくまで予定でしかないが、もし開催されるのであれば、言うまでもなく鑑賞する所存である。でも、出来ることなら、その時は土曜日の開催に……。