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土曜深夜の視聴覚室

芸人のDVDを見てなんやかんやいうブログ

目が離せない「水曜日のカンパネラ アウトストアライブ」(2016年1月16日)

“水曜日のカンパネラ”が高松に来るというので観に行く。

 

水曜日のカンパネラ(通称:水カン)とは、コムアイ、ケンモチヒデフミ、Dir.Fによって結成された音楽ユニットだ。もっとも、表舞台に姿を表すのはボーカルのコムアイだけで、あとの二人は裏方に徹している。結成当初はYouTube上で動画作品を発表する程度の活動しか行っていなかったが、2013年からタワーレコード限定でCDをリリースするように。2015年4月には自身初の全国流通盤EP『トライアスロン』、同年11月にはオリジナルアルバム『ジパング』を発表した。

 

トライアスロン

トライアスロン

 

 

ジパング

ジパング

 

 

そんな水曜日のカンパネラに対して、私は昨年末ごろから興味を抱き始めていた。きっかけとなったのは、昨年11月に岡山で二日間に渡って開催された「でゑれ~祭」である。「でゑれ~祭」とは、岡山県出身のラッパー・Boseスチャダラパー)が実行委員長を務めるイベントの名称だ。廃校となった学校の校舎を利用した、一般人のための文化祭のような集まりだといえば分かりやすいだろうか。この「でゑれ~祭」では体育館を利用したイベントステージが行われており、そこに水曜日のカンパネラも参加していたのである。しかし、私が「でゑれ~祭」を観に行ったのは一日目で、水曜日のカンパネラが出演していたのは二日目。私は彼女たちのステージを見ることが出来なかった。

 

しかし、そのことが、却って私の好奇心に火をつけた。まったく別の理由で購入した雑誌で水カンが取り上げられていることに気が付き、インタビューなどを読みふける。合わせて紹介されていたライブラリーを見てみると、なんだか珍妙な曲名が多いことを知る。なんなんだ、『千利休』だの、『桃太郎』だの、『ジャンヌダルク』だの。試しにタイトルで検索してみると、沢山の動画が存在することが分かる。では、せっかくだからと聴いてみると、その完成された音楽性に対して冗談のような真剣なような人を喰ったかのような歌詞がたまらなく面白い。

 

これはアルバムを買って、しっかりと吟味しなくてはなるまい。こういう時は旧作を辿るよりも、最も彼女たちの現在進行形の志向に近いであろう最新アルバム『ジパング』を買うべきだ。近所のTSUTAYAで買ってもいいが、タワーレコードを中心に活動してきたのだから、高松のタワーレコードで買おう。よし、無事に手に入ったぞ。店員がレシートと一緒に何か渡してきたぞ。サイン会? ああ、どうせ東京とか、大阪とか、そういう都会で開催されるイベントに参加できる券だろう。自分には関係無いな。でも、なんか「ちゃんと説明を読んでおいてください」とか言っていたな。一応、確認しておくか。……あれ? 高松に水カン来るの?

 

 ……以上の経緯から、今回のライブ鑑賞に至った次第である。

 

ライブの会場となったのは、高松・丸亀町グリーン内にある“けやき広場”である。丸亀町グリーンとは高松中央商店街のド真ん中にある複合商業施設の名称で、けやき広場はその一階にあるスペースのことだ。一階から三階までがいわゆる吹き抜けになっており、各階から広場の様子を眺められるようになっている。……要するに、イオンなどの大型スーパーで目にする吹き抜けフロアの商店街バージョンだ(我ながら、何処かからお叱りを受けそうな説明である)。

 

ライブの開始時刻は午後三時。商店街には午後二時ごろに到着したが、まだまだ時間に余裕があったので、近隣を散策するつもりだった。しかし、会場付近に来ると、組み立てられた専用ステージの前には既に観客が少なからず集まっている。時刻を確認すると午後二時十分を過ぎたところ。気が早い人もいるものだと思いながら、一旦その場を離れて、商店街の中にある吉野家で牛丼を食べ、戻ってくると、そこにはとんでもない数の人たちが。しまった。水カンの人気を侮っていた。でも、この寒空の下、流石に一時間もは待てなかったよな。しょうがない、しょうがない……と思いながら、群衆に混ざる。スマホTwitterを眺めながら、開演時刻を待つ。

 

午後三時、開演。

 

時刻が切り替わると同時に『ディアブロ』のイントロが流れ始める。しかし、ステージ上には、音を流すクリエイターの人しかいない。肝心のボーカル・コムアイは何処にいるのか。もうすぐ歌が始まるぞ……と思っていると、「いい湯っだーね! いい湯だねー!」と何処からともなく歌声が(一応、補足しておくと、『ディアブロ』はお風呂の唄である)。それでもステージ上にコムアイの姿はない。何処に潜んでいるのか。辺りをキョロキョロ見回していると、観客の一部から歓声が。見ると、なんと二階の商業施設フロアの通路に、風呂桶片手のコムアイが! 手すりのせいで、その姿は殆ど見えないが、この登場に観客は大盛り上がり。その声に応えるように、一般の人たちの間をすり抜けながら、あっちこっちに動き回るコムアイ。いくら若いとはいえ(1992年生まれ)、元気にも程がある。その後も、二階から観客に向かって手ぬぐいを投げたり、何も知らずにぼんやりしている子どもの後ろで陽気に踊ったり、やりたい放題だ。

 

曲が終わる頃になって、ようやくステージへ。続けざまに『桃太郎』が始まる。観客全員で「きっびっだーんご♪」と歌い上げる姿は、さぞ周りの無関係のお客さんたちには異様に見えたことだろう。大盛り上がりのうちに曲が終わると、ここで何故かステージには香川県の謎キャラ“うどん脳”が。なにかしらかのやりとりを交わしたところで(ステージが低いから、顔より下は殆ど見えないのである)、『メデューサ』『シャクシャイン』と続く。『シャクシャイン』はYouTubeで最初に拝見して引き込まれた曲だったので、ここで見られたのは嬉しかった。高校受験を控えている学生にカレーメシをプレゼントする微笑ましいやりとりも(カレーメシとコラボしているのだ)。自身も卒論を控えているので、気持ちがよく分かる……と。最後は観客全員と一緒になって『ドラキュラ』を大合唱。年末年始をテーマにした曲で(いや、ホントに)キレイに場を締めていた。2m近くある巨大な空気招き猫を片手に、三階へとエスカレーターで駆け上がりながら……本当に、最後まで目が離せない……。

 

以下、セットリスト。

 

ディアブロ」~「桃太郎」

 うどん脳との微笑ましいやりとり

メデューサ

シャクシャイン

 巨大招き猫登場

「ドラキュラ」

 

ライブ後は、予定通り『ジパング』購入者を対象としたサイン会が催された。とてつもない数の人間が列を成し、またコムアイが彼ら一人一人にちゃんと応対していたため(本当にパフォーマーとしてしっかりしている!)、かなり時間がかかった。結果、サインを貰ったのは、ライブ終了から一時間後。寒空の下、一時間近く待たされるのは少々こたえたが、同じ状況下にあったコムアイを思うと、我慢も出来るというものだ。持参したCDのパッケージにサインを書いてもらい、握手を交わす。『シャクシャイン』をナマで聴けた喜びを伝えて、その場を離れた。

 

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笑門来福。今年はお互い、良い年でありますように。