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土曜深夜の視聴覚室

芸人のDVDを見てなんやかんやいうブログ

「2015年度 漫才 爆笑問題のツーショット」(2015年6月3日)

 

2016年1月1日視聴。

 

私が初めて爆笑問題の漫才を目にしたのは、まだ十代だった頃のこと。当時、テレビで見る漫才というと、横山やすし・西川きよしに代表される“昭和の漫才師”の古い映像のイメージが強く、若かりし日の私にはまったくもって取っ付きにくいものでした。だからこそ、時事をテーマに繰り広げられる爆笑問題の漫才は、とても魅力的に映りました。彼らのネタをテキスト化した『爆笑問題の日本原論』も購入しましたし、コント映像集『爆笑問題のハッピー・タイム』もレンタルでチェックしました。

 

しかし、若い頃に夢中になったものの多くがそういう運命を辿ってしまうように、私の爆笑問題に対する熱も少しずつ冷めていきました。やがて、結成10年以下の漫才師のみを対象とした賞レース『M-1グランプリ』が開催され、私の意識はより若手の漫才師に対して向けられるようになっていきました。直後、若手芸人の登龍門『爆笑オンエアバトル』の存在に気が付いたことで、若手漫才師たちに対する興味はいっそう深まっていきました。

 

一方、バラエティ番組を中心に活躍している今でも、爆笑問題は漫才を演じ続けています。事務所ライブでは必ず新ネタを下ろし、年末年始のネタ特番では、それまでの一年間に起こった様々な出来事をバカバカしい笑いに昇華しています。本作は、そんな爆笑問題の一年間を総括した漫才をパッケージ化するシリーズ「爆笑問題のツーショット」より、2014年度の出来事をまとめた作品です。一時間を超えるしゃべくり漫才の模様が収められています。

 

取り上げられている時事ネタは、「上西小百合、会議を欠席して男性秘書と旅行疑惑」「古賀茂明、報道ステーション降板」「大塚家具騒動」「ドレスが何色に見える?」などなど。ただ、本作を見ていると、時事ネタよりも「○○ハラスメント」「悪質なクレーマー」「猫カフェ、犬カフェ、○○カフェ……」「ゆとりvsブラック」のように、普遍的なテーマを取り入れたネタの方が面白かったように思います。ただ、それは時事ネタそのものが面白くなかったわけではなく、恐らくは見るタイミングが遅かったからではないかと思われます。……ちょっとリリース日から時間を置き過ぎましたね。もうちょっと時事ネタにリアルタイム性を感じていた頃に見ていれば、いくらか印象は違っていたかと。ちなみに、個人的に一番面白かったのは、「ゆとりvsブラック」のくだりでした。定時を過ぎても無理矢理働かされているゆとり社員に訪れた思わぬ出来事には、本当に声を出して笑ってしまいました。同じネタを『ENGEIグランドスラム』でも見ている筈なのですが……何度見ても笑ってしまいます。

 

この他にも、猫を異常なまでに可愛がる田中の動画がYouTubeに上げられていたり、初めて飼ったペットの名前の話題で太田が反射的に「ポコ」と答えたり、Twitterで同じアーティストのファン同士が争うという不毛な事態が起きていたという話から爆笑問題のサザンファン論争を引き起こしたり、爆笑問題のファンを意識したボケなどを埋め込むサービスなどが垣間見える場面もありました。こういう小ネタを挟み込んでくるあたり、ファンに対する優しさを感じさせますねえ。

 

正直、どれほど大きな笑いを見せてくれたとしても、当時ほど爆笑問題の漫才を愛することは出来ない気がします。ゼロ年代のお笑いブームを経て、数多の漫才師たちが世に放たれた現状を思うと、しょうがないところもあるかと。ですが、関東の漫才師たちがくすぶっていた当時、時代の隙間から這い上がってきた彼らの漫才は、いわば私にとっての漫才の原風景として、残り続けるのではないかとも思います。

 

我が愛しの故郷よ、いずれ帰る故郷よ、永遠なれ。

 

■本編【76分】

爆笑問題による漫才ライブ

 

■特典映像【7分】

山中秀樹のニュースコーナー