白昼夢の視聴覚室

この世は仮の宿

年末のごあいさつ

どうも菅家です。

本年もお世話になりました。なったと思います。なってないなーと思った人は、見て見ぬふりをしてください。正直なところ、私もそれほどお世話になったような気がしていません。自分が書きたいことを書いて、放出しているだけであります。ブロガーというのはそういうものです。理由をこねくり回した感情の排泄物を見てもらいたいだけなのです。このように表現するとなにやら変態じみていますが、その通りです。ブロガーとは変態なのです。みっともないったらありゃしない。

そんな変態の排泄物を今年もご覧いただきまして、誠に有難う御座いました。ただ、私としては、どうも咀嚼が足りないというか、食べる量が減少したというか、脳味噌が便秘になっているというか、あんまり健康的な排泄をすることが出来なかったように思います。事実、当ブログの本分はDVDレビューでありますが、今年は十九作品(旧作含む)しか紹介できていません。お笑いブームの終了に伴い、リリース量が減少の一途を辿っているとはいえ、この現状はまったくもって怠慢としか言いようがありません。というわけで、来年はもうちょっと食物繊維を積極的に摂取して、運動量も増やして、皆さんの期待に応えられるような更新を出来るように奮起しようと考えております。どうぞ、よろしくお願いします。

追伸。五年間続けてきた連載が終わるらしいので、何か仕事ください。

大阪に行きたいから行ってきたのだ日記(2018年12月23日・24日)

十二月上旬。

大阪に行かねばならぬ、という衝動に駆られる。具体的な理由などは存在しない。ただ、この退屈極まりない日常から逃げ出したい気持ちが、限界を超えてしまったのである。

とはいえ、十二月といえば、年越しという一年の中でも重大なイベントを控えている時期だ。この季節になると、やれ年賀状の準備だ、やれ御節料理の用意だ、やれ今年一年の垢を落とす大掃除だ、人間が勝手に決めた一年の区切りを超えるだけなのに、普段は見向きもしないようなことで追い立てられることになる。理不尽極まりない。子どもの頃は、クリスマスからのお正月と立て続けに敢行されるスペシャルなイベントに心が躍っていたが、三十路も半ばという年齢になると、心が微塵も揺れない。楽しみなのはボーナスと連休だけである。その連休も、大晦日から正月に掛けて行われる準備と実行で明け暮れて、まさに疾走、あっという間に過ぎ去ってしまう。

そんなファッキンな十二月に、一人で大阪に何の理由もなく出かけるなどということは、実家でイチ扶養家族をキメている身の上では、なかなか出来るものではない。……というわけで、家族には学生時代の友人たちと忘年会をやるから広島(※母校がある)に行くと嘘をついて、大阪に行こうと決めたのであった。この家族に対する背信行為は、いずれ自らの身を滅ぼすかもしれない。だが、それほどまでに、私の中で大阪に対する欲求は高まっていたのである。

画して、この恐るべき犯行計画は、速やかに実行された。まずは日程を決める。忘年会と称して大阪へ行くからには、それなりに押し迫った時期を選ばなくてはならない。前後のスケジュールも考慮して、十二月二十三日・二十四日に行くことに決めた。前日の夜に用事があるため、一泊二日の短い旅行になってしまうが、致し方ない。続けて、家族に「広島で忘年会がある」と伝える。まるで疑う素振りを見せない。過去に何度か実際に広島での忘年会に参加している経験が生きている。後は、高速バスと宿泊用ホテルを予約するだけだ。これらもまた同様に、これといったトラブルに見舞われることなく、滞りなく済ませることが出来た。何も問題はない。

これらの必要最低限な準備を進行させている最中、大阪へ出かける目的を決めた。忘年会である。結局は忘年会である。とはいえ、ただの忘年会ではない。お笑い濃度の極めて高い忘年会である。近年、私は東京や大阪でオフ会を敢行するたびに、ブロガーとして築き上げてきた地位に胡坐をかいて、これといった実りのない排泄物のようなトークを意気揚々を繰り広げていた。無論、それはそれで、無邪気で楽しい場だった。だが、ふと思ったのである。「これは、私にとっても、オフ会に参加している人たちにとっても、あまり良くないのではあるまいか」と。これは一方的な妄想でしかないが、私が開催しているオフ会にわざわざ足を運んでくれている皆さんが求めているのは、お笑い芸人のDVDコレクターとしての矜持から発露する含蓄ある意見だろう。それなのに、オフ会で私が口にすることといえば、黒いストッキングの女はエロいだの、黒縁眼鏡の女はエロいだの、俺はひょっとしたら尻フェチなのかもしれないだの、碌な話をしていない。オフ会参加者に私にとって最適なアダルトビデオを探してもらおうとしているとしか思えない。こんなことでは駄目なのである。そこで今回、ちゃんとお笑いの賞レースなどの話をして、きちんと芸人好きとしての自らを律するため、そういう話の出来るメンツを揃えて、忘年会をやろうと思い立ったのである。

早速、そういう話に付き合ってくれそうな、ゴハさん、イシダドウロさん、資本主義さんといった馴染みの顔ぶれ(イシダさんは“鳥貴族会”と呼んでいる)に連絡を取る。資本主義さんにはスケジュールの都合で断られるも、残りの二人からは了承を貰える。こうして三人が揃うわけだが、しかし、このままではただの定例飲み会である。ここに新たなる風として、カフカというコンビで活動している小保内さんを呼びつける。Twitterでは以前から相互フォローの関係にあったのだが、先日、ちょっとリプライでやり取りをしたときに「大阪に来たときには誘ってください!」と向こうからのこのことコメントしてくれたので、まんまと中年たちの飲み会に引きずり込むことにした。会場は鳥貴族をチョイス。重要なのは場ではなく中身である。

また、この話を提案したときに、ゴハさんから「ちょうど来られる日にこんな大会があるんですけど、どうですか?」と、大喜利天下一武道会というイベントへの誘いを受けた。大喜利天下一武道会とは、大阪・東京で予選を行い、それぞれの勝者が横浜本戦で競い合うという全国規模の大喜利イベントである。このようなハイレベルな大会に、かつてネット大喜利をやっていたとはいえ、今ではお笑いに一過言ある一般人でしかない私が参加していいものなのか。しばらく考えるも、「これもまた何かのウンメーではあるまいか」と開き直り、厚顔無恥な面構えで参戦することにしたのであった。

そして数日が過ぎ、十二月二十三日がやってきた。

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2019年1月の入荷予定+2018年総決算

30「ナイツ独演会「ワッショイ」でない事だけは確か

30「兵動大樹のおしゃべり大好き。10

どうも菅家です。

皆さんはクリスマスを楽しく過ごしていますか? 私は自宅にどっかの誰かの車が突っ込んできて、まあまあ大変な事態に陥っています。壁や車庫は無事なんですが、ちょうど自宅をリフォームした際に取り付けた貯湯ユニットだけが綺麗に破壊されまして、この冬を風呂無しで過ごさなくてはならないのではないか……と、今から戦々恐々としております。まあ、どうやら、なんとかなるらしいのですが。

というわけで、もうリリース情報がどーたらこーたら言っている場合じゃないので、各々で情報を咀嚼してください。2018年のリリースデータも一緒に貼りつけておくので、合わせて楽しんでください。いやー、本当だったら、兵動大樹の新作DVDリリースとか、めっちゃ嬉しいニュースなんだけどなー。

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「女芸人 No.1決定戦 THE W」(2018年12月10日)

・司会
徳井義実チュートリアル
水卜麻美日本テレビアナウンサー)

・ブレイクサポーター
志尊淳

・ゲスト
福原愛
ヒロミ
中尾明慶
土屋太鳳
滝沢カレン
清水ミチコ

・副音声
松本人志ダウンタウン
高須光聖

・審査員
一般公募から選ばれた401名

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「爆笑問題の検索ちゃん 芸人ちゃんネタ祭り 実力派芸人大集合スペシャル」(2018年12月21日)

三四郎「漫才:マジ卍」
ハナコ「コント:コインランドリー」
チョコレートプラネット「コント:メンタリスト」
ロバート「コント:人間ドック」
友近「コント:大阪ブロードウェイ」
ナイツ「漫才:いちゃラブ漫才」
東×土田×古坂大魔王「犬(ハナコの変則カバー)」
東京03「コント:同窓会」
オリエンタルラジオ(RADIO FISH)「NEW GOD(feat.May J.)」
中川家「漫才:CEOになりたい・路上教習」
爆笑問題「漫才:今年の漢字貴乃花問題・築地市場最後の日・高輪ゲートウェイ・小説の映画化・人生半分損してる」

司会は爆笑問題小池栄子。ネタごとに出演者に関するゴシップ情報が紹介される。正直、基本的には大した話が出てこないのだが、東京03角田の酒癖の悪さ、爆笑問題田中の後輩芸人に対する奇行が取り上げられていたのには笑った。どんなに凄味に満ちたネタが演じられた後でも、最終的に話題の全てをかっさらってしまうウーチャカという存在……実に恐ろしい。

肝心のネタは、攻めた内容のものが多めで楽しかった。特にロバート以降は混沌としていて、まともなネタが一つもなかった。とりわけ、友近は意味が分からなかった。どうしてミュージカルなのか。どうして大阪なのか。何に対するものなのかは分からなかったが、とにかく悪意に満ち溢れていた。普段は安定の東京03もコミュ障の気持ちをえぐり込むような内容で恐ろしく、普段は安心の中川家も礼二が暴走して剛と二人だけで盛り上がってしまっている珍しいワンシーンを見せていて、なんだかとても真っ当じゃなかった。そんな二組を繋いだオリエンタルラジオに至っては、もう何がなんだか分からない。何が分からないって、クールなショーをお届けしている筈なのに、妙に笑えるところが分からない。なんで笑えるのだろうか。不思議だ。

しかし、最もヤバかったのは、番組ではお馴染みとなっている東貴博(Take2)、土田晃之古坂大魔王によるユニットコント。いつもは懐かしのショートコントを披露している三人だが、今回はなんとハナコキングオブコントの決勝のステージで披露したコント『犬』を思わせるネタを演じていた。最初は後輩のネタを丁寧に再現している様にニヤニヤしていたのだが、中盤でいきなり放り込まれる異分子! 何もかもが台無しになってしまう展開に、ボキャ天世代の意地のようなものが感じられた。いやー、熱かったな。

「M-1グランプリ2018」(2018年12月2日)

・司会

今田耕司上戸彩

・笑神籤引き手

井上尚弥/阿部一二三/吉田沙保里

・審査員

オール巨人中川家・礼二/ナイツ・塙/立川志らく
サンドウィッチマン・富澤/松本人志上沼恵美子

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「THE MANZAI 2018」(2018年12月9日)

霜降り明星「カラオケ」
NON STYLE「井上家に招待」
チュートリアル「怖い話」
トレンディエンジェル赤ずきんちゃん」
流れ星「ちゅうえいイライラ棒
海原やすよ ともこ「東京と大阪の比較」
タカアンドトシ「もの忘れ」
サンドウィッチマン「警察24時」
 プレマスターズ第2位:ミキ「新婚旅行の計画」
 プレマスターズ第1位:インディアンス「木村は元ヤン」
テンダラー「感動の再会」
銀シャリ「10回クイズ」
パンクブーブー「なぞなぞ」
博多華丸・大吉イカ不漁」
千鳥「サファリパーク・権蔵院園」
ナイツ「サッカー・西野朗監督のサイン」
笑い飯「言葉を間違える・蚊を叩く練習」
おぎやはぎ「スクワット」
ウーマンラッシュアワー「村本の主張」
ハマカーン「恩着せがましい」
矢野・兵動「イラッとなる・老化」
とろサーモン「旅館」
中川家「CEO・路上教習」
爆笑問題「時事漫才」

たけし賞は流れ星(二年連続)。たけし氏、昨年よりも老け込んだように感じられて、少し不安。オープニングセレモニーの悪ふざけぶりは相変わらずだったが、じんわりと欽ちゃんに続いているような雰囲気に。そう成ってしまったときのたけし氏もまた、ちょっと見てみたい気もするが。うん、これでいいの。

印象に残っているのは、奇しくもネタの設定が「M-1グランプリ2018」敗者復活戦でさらば青春の光が披露していたネタと丸被りだったチュートリアル、「好きな芸人」第一位に選ばれた途端にちょっとアウトローなスタイルを取り戻し始めたサンドウィッチマン、たけし氏への感謝の気持ちをネタ中のコマネチで表現したテンダラー、鰻のボケに橋本の精神が崩壊していく銀シャリ八代亜紀の『舟唄』をテーマにする渋さの中にさりげない可愛げを見せていた博多華丸・大吉、ナンセンスなキャラクターにヤバみが加えられた千鳥、村本のこってりとした主張が大きな笑いと止め処無い戸惑いを生み出したウーマンラッシュアワー、そんなウーマンよりもある意味で炎上しそうなネタを放り込んできたハマカーン

その中でも、おぎやはぎは「爆笑オンエアバトル」に出ていた頃と変わらぬテキトーぶりで、とても楽しかった。小木がスクワットをする、スクワットをエンターテインメントにする、矢作がスクワットをやらされる。スゴくバカバカしい。くだらない。でも、ちゃんと笑える。なんだろうな、あのニュアンスは。面白かったなー。

「M-1グランプリ2018」優勝者決定!

見取り図「女の子を紹介する」(606点)
スーパーマラドーナ「隣人を家に上げて…」(617点)
かまいたち「ポイントカード」(636点)
ジャルジャル「国名分けっこ」(648点)
ギャロップ「合コンの代役」(614点)
ゆにばーす「遊園地ロケ」(594点)
ミキ(敗者復活)「ジャニーズ」(638点)
トム・ブラウン「なかじマックス」(633点)
霜降り明星「豪華客船」(662点)
和牛「ゾンビに噛まれたら」(656点)

ジャルジャル「ポーズ」(0票)
和牛「オレオレ詐欺」(3票)
霜降り明星「小学校」(4票)

いや、素晴らしかったですね。トップバッターとしては大健闘の見取り図、あえて大衆ウケよりサイコ度数に重点を置いたスーパーマラドーナ、どうでもいい話をきっかけに込み入った口論が繰り広げられるかまいたち、我が道をひた走るジャルジャル、そんなジャルジャルの空気に巻き込まれたギャロップ・ゆにばーす、敗者復活から這い上がってきたミキ、技術よりパッションで立ち向かったトム・ブラウン、発想と熱量が燃え上がった霜降り明星、所作や佇まいがもはやM-1の域を脱している和牛。どのコンビも面白かった。今はもう、それ以上の感想は出てこない。面白かった。うん。

最終決戦は甲乙つけ難い激戦に。結果として、和牛と霜降り明星の一騎打ちのようになってしまったが、ジャルジャルもまた彼ららしいネタで勝負していた。個人的にはジャルジャルでもまったく問題無かった。しかし、霜降り明星……強かった。お見事! お疲れ様でした!