白昼夢の視聴覚室

この世は仮の宿

2018年8月の入荷予定

15「NON STYLE LIVE コンビ水いらず ~「漫才行脚」の裏側も大公開!~

22「千原ジュニア「1P」

どうも菅家です。猛暑ですね。私はそろそろバターになりそうです。皆さんはバターになりましたか。海はバターになりますか。山はバターになりますか。風はどうですか。空もそうですか。元ネタが分からない人は放置していきます。分からない人を放置して、私は毎年恒例の東京旅行へ出掛けます。何があるわけでもないというのに。

というわけで、きっと暑い日が続くであろうことが予想される八月ですが、お笑い芸人のDVDなんか観ている場合でもないような気がしないでもないですね。それこそ海だ山だの大騒ぎではないでしょうか。夜はナイトプールで大運動会。そのままドッタンバッタン大騒ぎしちゃったりなんかして。朝は渋めの珈琲なんか頂戴しちゃったりして。いや参ったね。そんな季節の到来でも芸人のDVDは出るのだから仕方がない。気になるのは千原ジュニアのライブ。天才のやることですので、きっと面白いでしょう。amazon限定でジュニアによる新作落語CDが付いてくるとかいう話なので、気になる方は是非に。

あと、『ゲームセンターCX ベストセレクション Blu-ray 赤盤』『ゲームセンターCX ベストセレクション Blu-ray 緑盤』なんてのも出ます。過去の回をBlu-rayで再収録しているようですが、画質とかその辺はどうなっているのか、ちょっと気になるところですね。また、けっこう期待していたコメンタリーが、どうも特定回のみの収録になるようで……それは少しビミョーではないのかしらんね。とはいえ買うことになるでしょうが。こちらは8月2日リリース予定となっております。ボーナスはたいて買おうぜ!

「南海キャンディーズ初単独ライブ「他力本願」」(2018年4月11日)

2018年2月16日・17日に東京グローブ座で開催されたライブを収録。

結成十五周年という節目の年に初めての単独ライブを敢行した南海キャンディーズ。ライブタイトルは『他力本願』。これはプロの芸人がラジオリスナーの考えたネタを舞台で演じる企画ライブ“他力本願ライブ”に由来している。そして“他力本願ライブ”と同様、この舞台でもリスナーたちが投稿した漫才台本によるネタが数多く演じられている。イベント性の高い“他力本願ライブ”のシステムを自身の単独ライブに持ち込む姿勢は、南海キャンディーズ……もとい、TBSラジオでディスクジョッキーを務める冠番組山里亮太の不毛な議論』を抱えている山里のリスナーに対する絶対的な信頼を感じさせられる。

本編を再生すると、ライブの幕開けを告げるように、ドキュメンタリー番組「情熱大陸」のテーマが流れ始める。劇場ではお馴染みとなっている南海キャンディーズの出囃子だ。そして一本目の漫才が始まる。医者になりたいという山里に対して、火を恐がるイノシシを演じようとする山崎。彼らが注目を集めるきっかけとなった「M-1グランプリ2004」決勝戦で演じられた、伝説の漫才だ。だが、観客のウケを見ると、あまり芳しくはない。当然といえば当然の結果なのかもしれない。何者でもなかった当時とは違い、今の南海キャンディーズはそれぞれのキャラクターがはっきりと自立している。観客が求めているのは、あの時代を振り返ることではなく、今の彼らに出来る最新の漫才なのだ。

一本目の漫才が終わると、クールなオープニング映像が始まる。『不毛な議論』オープニング曲を採用しているところがニクい。映像が終わると、今回のライブのメインともいえるラジオリスナーが投稿した漫才パートへ突入。山崎が山里のセッティングする合コンで大暴れする『カレーよりハヤシの作品』、干支に入りたいという山崎が現在のメンバーを独自の解釈で倒していく『注文の作品』、普段は自由奔放にボケ倒している山崎が逆に山里のフリに対してノリツッコミを強いられる『月ムーンの作品』などなど……いずれのネタも従来の南海キャンディーズの漫才とは少しズレている感が。しかし、そんな両者の齟齬によって、むしろ二人がこれまであまり見せられていなかった魅力を引き出している。

そんなラジオリスナーたちの投稿作品の流れの中に、何故かラブレターズ・塚本による作品も。クラブで刺激的な女との出会いを期待している山里の前に、独特の雰囲気を漂わせながら我が道を貫き通す山崎が現れ、なんやかんやあって恋に落ちてしまう『#15点の女』というコントだ。南海キャンディーズがコントを演じているというだけでも新鮮味があるのだが、純粋にネタとしても面白い。しかし中盤から、話は思いもよらぬ地獄の展開へ。実に面白く、恐ろしかった。

ここからライブは後半戦へ。まずは新作の夢占いをテーマにした漫才。夢占いが特技だという山里が山崎の見た夢の内容から深層心理を読み解こうとするのだが、話を紐解いていくと、それらの夢には理由があることが発覚する。版権を取り扱っている点が少し引っ掛かるが、細かい要素が鮮やかに回収されていく様は見事だった。今後はこういうスタイルのネタもやっていくのだろうか。

そして最後は、M-1の予選用に作られたという漫才。ママタレやドラマの主演女優やモデルになりたいという山崎のために、山里がそういった職業の人たちの人となりを全身全霊込めて解説する漫才で、そのあまりの熱弁ぶりに40分以上にも渡って繰り広げられる。山里のママタレ・女優・モデルに対する悪意と山崎の我が道を行くディープなボケを混在させながら、今回のライブで披露してきた漫才をフリとしたフレーズも詰め込まれ、まさに圧巻の出来映え。M-1予選ではウエストランド井口と比較する声も散見されたが、こうしてフルバージョンで見ると、きちんと現在進行形の南海キャンディーズの漫才として完成されていることがよく分かった。南海キャンディーズにとってM-1ラストイヤーの年となる今年、彼らはどんなネタを用意しているのだろうか。楽しみだ。

これらの本編に加えて、特典映像として、ライブのおよそ十日後に放送された「山里亮太の不毛な議論」(2018年2月28日)の模様を撮影した映像を収録。この日、番組は「単独ライブ延長戦」と題し、ライブでは時間の都合で演じられなかったリスナー投稿作品をオンエア。きちんと舞台衣装を着て、センターマイクも用意して、漫才師として投稿作品に臨む二人の姿勢はとても真摯で、改めて漫才・リスナー・番組に対する愛を感じさせられた(あんなにママタレや女優に毒をブチ撒けていた人とは思えない)。更にライブ本編には南海キャンディーズの二人(+構成作家・セパタクロウ)によるオーディオコメンタリーまで収録されている。ああ、なんと揺るぎないサービス精神!

個人的には、初単独への思い入れが強すぎて、喜びの感情がダダ漏れになってしまっている山里に注目してもらいたい。きっと心の中で「漫才楽しい!」と思っていたに違いない……いや、それはまた別のコンビのフレーズか……。

■本編【145分】

「漫才①(医者)」「オープニング」「漫才②「カレーよりハヤシの作品」」「漫才③「注文の作品」」「漫才④「月ムーンの作品」」「VTR しずちゃんVR体験」「コント「ラブレターズ塚本の作品」」「VTR ラジオディレクター」「漫才⑤(夢占い)」「VTR 楽屋の山ちゃん」「漫才⑥(○○になりたい)」

■特典映像【25分】

南海キャンディーズがライブを振り返るオーディオコメンタリー」

「「山里亮太の不毛な議論」(2018年2月28日)・単独ライブ延長戦」

「各公演のジャケット撮影写真スライドショー」

「にちようチャップリン」(2018年5月27日)

  • オテンキ【86点】

「コント:小ボケヒーロー」。木の高いところにある枝に風船を引っ掛けてしまった少年の元へ、小ボケまくるヒーローがやってくる。オテンキの代表作『小ボケ先生』からの流れを感じさせるコントだが、フィクション性の高い設定が故に、持ち味である“小ボケ感”が薄まっている。その結果、小ボケどうこうというより、単純に役立たずなヒーローもののコントに落ち着いていて、面白かったけれども少し物足りない。GO演じる少年が割れた風船で満足しちゃうくだりが好き。

  • ジャンゴ【82点】

イカ」。昔ながらのロックンローラー風の二人が、世の中の気に入らない人たちに凍ったイカで喉をドゥーン。意識しているのかどうか分からないが、ギター演奏+歌担当とコミカル+動き担当の二人組があるあるネタを披露するスタイルはテツandトモの『なんでだろう』を踏襲していて、決して新しくはないのだが、この路線に光を見出そうとするコンビが出てきたことは興味深い。『なんでだろう』レベルのキラーワードを見出すことが出来れば一気に売れそう。スリムクラブ内間のくだりは笑った。理不尽で笑わせられるのは強い。

「コント:コールセンター」。光回線の工事の後、ネットに繋がらないのでコールセンターに電話したところ、担当者が本日付で辞めるので「めちゃくちゃやってやろうと思って」いる人で……。『キングオブコント』決勝の舞台でも披露されていたコント。相手の状況が窺い知れない電話だけのやり取りがもたらす不安を上手く取り入れている。ヘッドセットを変に付けるという冗談が相手に伝わっていないくだりなど、よく出来ている。ただ、シチュエーションにあまりにも忠実で、「めちゃくちゃやってやろうと思って」と導入で言っていた割にはきちんと作り込まれ過ぎていたようにも思う。要するに、もうちょっとめちゃくちゃになっているところが見たかった。

  • インポッシブル【60点】

「コント:ケンタ」。いじめられっ子のケンタは、いじめっ子を見返すために通りすがりのボクサーからボクシングを習い始める。ドラマや映画の世界で起こりそうなシチュエーションを忠実に再現しながら、最後の最後で大胆に裏切ってしまうスタイルのコント。こういう一つの展開だけで笑いを引っ張り出す手法は、起爆力に定評のあるインポッシブルだからこそ出来ることだろう。とはいえ、ケンタがいじめっ子をやり返すくだりは、もうちょっと色々と見たかったような。

「漫才:スーパー」。妹の美穂さんが経営するスーパーマーケットを、姉の江里子さんが買い物にやってくる。自分たちの見られ方を理解しているからこそ出来るテーマ、ネタ運びには一種の安心感が。それでいて、ツッコミとしてクロスチョップを食らわせたり、長渕剛のパロディソングを歌ったりして、イメージとのギャップを生み出す笑いも散りばめている。そのバランス感が丁度良い。買い物かごを駕籠屋に置き換えてノリボケするくだりが好き。

「コント:万引き」。コンビニで万引きしてスタッフルームに連れてこられた高校生が、そのことを知らずにやってきた夜勤のバイト店員と出くわして……。好き。こういうコントが本当に好きだ。余計な説明がないまま話が進行する自然な導入もさることながら、はっきりと片方がボケで片方がツッコミという役割分担になっていないところも良い。たいの演技力の高さも見事。「こういう人っているよなあ」というキャラクターを違和感なく見事に演じ切っている。ネタの中枢となっている“立ち読みおじさん”なるキャラクターも素晴らしい。オチも好き。「『こち亀』か! 長ぇぞぉ~」の絶妙な温度。売れてほしい。

  • ニューヨーク【66点】

「漫才:正解」。屋敷が経験した腹が立つ出来事に対するリアクションの正解を嶋佐が示してみせる。『痛快TV スカッとジャパン』でやっているようなことに、ニューヨークの持ち味である偏見を微かにまぶしているようなネタ。ただ、偏見がやや弱くて、ただ『スカッとジャパン』をなぞっているだけのような後味が残ってしまっている。もうちょっと、なんとかなったような気もする。嶋佐がネタから逃げ出すオチは好き。

1位の阿佐ヶ谷姉妹やさしいズが勝ち上がり。

【次回の出場者】

アイロンヘッド

石出奈々子

EXIT

なすなかにし

バンビーノ

四千頭身

ラフレクラン

今になって、枡野浩一の言葉を思い出す。

ふと、本棚の一冊を引っ張り出す。

2005年に発行された『お笑い解体新書』は、お笑いブームの真っ只中で活躍する若手芸人たちについて書かれたコラム集だ。おぎやはぎますだおかだラーメンズといった芸人たちの2005年の状況が、複数のライターたちによって書き留められている。

当時、まだ学生だった私は、本書をバカみたいに読み込んでいた。ブログで公開していたお笑いDVDのレビューを書く際の参考にさせていただいていた。そして、本書の第二弾には、きっと自分がライターとして参加したいと思っていた。事実、プロのライターから誘われ、この企画に参加しているブロガーもいたので、可能性はゼロではなかった。だが、それは叶わぬ夢となった。第二弾が出なかったからだ。風の噂によれば、本書の担当者が移動になったためだという。なんとも残念な話である。

それほど思い入れのある本書だが、気に食わないコラムも掲載されていた。それが、歌人枡野浩一氏によるコラム「日本の笑いは、もちろん世界に通用しない。笑いを語るとき、そんなに威張らなくてもいいのになあと思います。」だった。本文において、枡野氏はだいたひかるのネタを例として取り上げ、それが“無知ゆえのツッコミ”であると批評、また同様の行為に及んでいる芸人たちがたくさん存在すると語り、「「どんなお笑いネタも、受け手の教養や経験値によって、受けとめられ方が変わってしまうものだ」という当たり前のことを、あらためて自覚しないとまずいんじゃないか」とまとめている。

当時の私はとにかく枡野氏に「日本の笑いをクサされた」と感じ、このコラムに嫌悪感を抱いていた。だが、今になって、改めて枡野氏のコラムを読み返してみると、理解できる部分の多さに愕然とした。何故ならば、今まさに日本の笑いは、これまで当たり前と思われてきた笑いの取りかたの是非が問われる変遷の時を迎えているからだ。男だから、女だから、独身者だから、既婚者だから、美人だから、ブサイクだから……ありとあらゆるカテゴライズされた見方による笑いに、メスが入れられようとしている時代だからだ。当時、枡野氏は日本と世界に区分して話を展開していたが、今や私たちは過去と未来の境目に居る。

ところで、そんな枡野氏のコラムに対し、弟子筋のブログ歌人佐々木あらら氏が芸人をフォローするコラムを寄せている。佐々木氏はだいたひかるの笑いの取り方は単なる「発見の披露=単なる無知」ではなく、「ある虚像からの一人称視点での語り」であると指摘する。それはだいた自身から出た言葉ではなく、あくまでも作り上げられた虚像による言葉にしてしまうことで、その無知の責任を虚像に押しつけてしまう。それはずるいけれど、不快じゃない……と。

その「ずるさ」に、私は笑いの未来がある気がする。

「山里亮太の140 高知公演~岐険を乗り越えて~<追加公演>」(2018年6月30日)

山里亮太トークライブがあるというので観に行くことにした。

山里亮太といえば、「M-1グランプリ2004」ファイナリストに選ばれ、脚光を浴びた男女漫才師“南海キャンディーズ”のツッコミ役として知られている。近年は、コンビではなくピンとしての活動に重きを置いており、とりわけ自身がパーソナリティを務めているラジオ番組『山里亮太の不毛な議論』に対する思い入れは強い。そんな山里が、わざわざ高知県までやってきて、トークライブで何を話すというのか。どうしても確認しなくてはならない……というほど、彼に対して思い入れがあるわけではないが、チケット完売後に追加公演の開催を決意する熱意に絆され、鑑賞を決意した次第である。

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「bananaman live Super heart head market」(2018年2月7日)

bananaman live Super heart head market [DVD]

bananaman live Super heart head market [DVD]

 

2017年8月10日から13日にかけて俳優座劇場(東京)で行われたライブを収録。

「心さーん! 昔はよく出てきてましたけど、最近はずっと頭さんばっかですねーっ!」。お馴染みのフォークデュオがライブステージを展開するコント『赤えんぴつ』で“おーちゃん”がこんなことを言っていて、なんだか胸に刺さってしまった。とあるお店の店員から少しイヤなことを言われてしまって傷ついたという“ヒーとん”の話を聞いて、心と頭の関係性を説きながら、傷ついたときに心で思ったことをそのまま店員にぶつければ良かったんだよ、とアグレッシブな言葉で説明するおーちゃん。その最中に、おーちゃんがヒーとんの胸倉に向かって、前述した言葉をぶちまける。分かる。確かにそうだ。心で思ったことをそのまま言葉にしないで、それどころか、心にもない頭の中で考えただけの言葉ばかりを口にすることの、なんと多いことだろう。それが大人になることだし、逃れられないことだとは分かっているけれど。この後のおーちゃんの台詞がまたスゴいのだが、ここには書かない。見て。

思えば、オープニングコント『voice from the haeart』からして鮮烈だった。友人の日村のことを「こいつといると楽なんだ」「なんにも考えなくても付き合える掛け替えのない存在」と思っている設楽に対し、当の日村は「こいつの期待を裏切ってはならない」という強迫観念に捉われている。掛け替えのない二人の掛け違った関係性。その後、設楽のちょっとした発言に対し、決して期待を裏切らない返事が出来るように必死になって考える日村の姿は、とても面白い。心の声を表したモノローグだけでも面白いのに、それを表情で巧みに表現する日村の演技が凄まじい。でも、その状況ほどではないにしても、日村にとっての設楽のような人間が自分にもいるよなあと考えると、その必死さが一転して、切なく感じられてしまう。その時、本心は何処かに行っている。心の声は聞こえてくるのに、心は何処かに行っている。

Air head』も印象的なコントだ。同じ職場で働いている先輩・日村の作業が遅れているため、残業に付き合わされている後輩・設楽。そんな最中、日村から飴を貰ったので、食べようとすると「それ手作りなんだよ」と言われ、思わず不快感を表情に出してしまう。実は、その飴は日村がタクシーのおじさんから手作りと聞かされて受け取った飴だったのだが、日村は設楽が不快な表情を浮かべていたことが忘れられず……。その後、どこまでもダメな発言を続ける日村。どうでもいいことに引っかかって、自分の仕事を手伝ってくれている後輩に愚痴をこぼしている姿は、どうしようもなくみっともない。けれど、それでも、日村が「俺の方が真っ当だよ!!!」と大声を張り上げる姿に、ダメな人を見る目で笑いながらも、目じりにうっすらと涙のようなものが浮かんできてしまう。ああ、分かる。分かるんだよ。そんなことを言ってたら世の中を渡り歩いていけないけれど、でも、分かるんだよ。おしっこの入った検尿のカップにパーカーのヒモが入ってて慌ててしまう瞬間は、きっと誰にでもある。

ああ、こんな気持ちになるような大人になるつもりはなかったのに、いつの間にやら共感の坩堝に迷い込んでいる。心の中で思ったことを言葉に出来ずに、頭で考えた最も適切な言葉を吐き出して、いつの間にやら心は何処かに隠れている。そんなこと、自覚せずに生きていたのに、よもや芸人の単独ライブをきっかけに思い出すことになろうとは。勿論、生きていく上で、心にはちょっと引っ込んでいてもらわないといけない場面は少なくないけれど、それでも心を殺さないように気を付けないといけないなあと月並みな感想で本文を締め「おちんちん侍!」「「「「おちんちん侍!!!」」」」

■本編【147分】

「voice from the heart」「Air head」「罰」「different container」「アルフレッドとベン」「何でだ!」「ワニワニパニパニゲーム」「赤えんぴつ」「一番面白いパンストを探そう」「Incident in the mountain」

2018年7月の入荷予定

04「東京03 FROLIC A HOLIC「何が格好いいのか、まだ分からない。」

11「ラバーガールLIVE「シャンシャン」

14「流れ星 単独ライブ 星屑伝説

18「乳首ドリルの逆襲  ~ATTACK OF THE NIPPLE DRILL~」(監督:河崎実

20「落談 ~落語の噺で面白談義~ ♯5「あくび指南」」(ゲスト:大槻ケンヂ

20「落談 ~落語の噺で面白談義~ ♯6「だくだく」」(ゲスト:松尾貴史

25「トンツカタン単独ライブ「トンツカタンII~さよなら さよなら こんにちは~」

25「アンガールズ単独ライブ「びしょ濡れの犬のほうが拾いたくなる」

菅家です。夏ですね。皆さんは夏ですか? そうでもないですか? ですよねえ。まだ梅雨ですものねえ。とはいえ、夏がもう目前にまで迫っているのは事実ですので、ここらで一度、暑い夏を乗り切るために芸人のDVDを見るというのは如何でしょうか。……脈絡がないですか? ですよねえ。こちらも分かった上で書いてます。要するに何も考えていないわけですね。困ったもんだ。

そんなこんなで七月ですが、やたらと人力舎が頑張っています。上旬に東京03、中旬にラバーガール、下旬にトンツカタンというコント濃度の高いラインナップであります。まあ、それぞれ過去にDVDを出した実績がある方々なので、そこまで意外性はありませんが。東京03は今回もDVD版とブルーレイ版の2タイプでリリースするそうです。高画質・高音質でのご提供、有り難いことですね。ラバーガールトンツカタンも真似すればいいのに。無論、他のコント師も。広まれ広まれ。

追記アンガールズ忘れてた。前回は最高傑作だったけど、今回はどうだー?

「にちようチャップリン」(2018年5月20日)

  • 流れ星【94】

「漫才:友達の作り方」。些細なことでケンカを始め、それでも最後は仲直りするヤンキー同士の友達作りをやってみよう。前回の放送とは打って変わって、今回はかなりちゃんとした漫才ネタで勝負。同じシチュエーションを繰り返すたびに別ベクトルのボケを放つタイプのネタで、安定して面白かった。ただ、起爆力となるべきちゅうえいのギャグパートが、個人的にはイマイチ。もはや目が飛び出るギャグに固執しなくても良いような気もするのだが、なかなか捨てられないか。

「コント:覚えてろよ」。ケンカ最強と呼ばれる森本の元には、その称号を目的とした挑戦者が次々にやってくる。そんな男たちの中に、一人だけ独特なファイトスタイルでやってきて……。『トンツカタン単独ライブ「トンツカタンI ~君の笑顔の為だけに~」』のオーラスで披露されていたコント。不良漫画的なシチュエーションが一転、リア充感満載の日々へと繋がってしまう展開が面白い。また、まったく違うはずのそれらを繋げる要素が「名前を覚えてもらう(存在を認識してもらう)=嬉しい」というのも面白い。まるでスターとファンの関係性のようだ。時間の関係上、途中でオチにしてしまったところは残念。

「漫才:鶴の恩返し」。「鶴の恩返し」をやろうとするも、何故かカレーがやってくる。トリッキーな設定なのに、さらりと受け入れてしまえるのは、里の動じないツッコミのおかげだろうか。カレーのビジュアルが妙にリアルに設計されているところに、笑い飯の『鳥人』を彷彿と。ただ、あれに比べると、ディティールはそこまで凝っていないように思う。もっと凝り出したら、大変なことになりそうだ。布団で横になった瞬間からの言い回しが最高。「全て……終わった!」「鶴! ……遅いぞ!」「鶴の恩返しはこんなんじゃあない!」。いやー、面白かった。

「コント:ゾンビ」。ゾンビ映画のようなシチュエーションで、ちょっとイイ感じになっていた女性と和田まんじゅうのところへ、女性と深い関係にある男性が飛び込んできて……。男女の三角関係の中で、あっという間に余り物となってしまった和田まんじゅうの三枚目としての魅力が光るコント。また、男女の設定が、良いとも悪いとも言えないあたりが絶妙で、だからこそ和田のペーソスがはっきりと浮かび上がってくる。あと、和田と男性とどちらかを選べと女性が迫られるくだりが良かった。「和田くん!」「まさかのオレ?」「ごめんなさい!」「あ、「ごめんなさい」ね……」。

「漫才:人間ドック」。まだ人間ドックに行ったことのない川谷のためにシミュレーション。前回のオンエアでは鉄板ネタである『丁度ええ』を披露していたが、今回はきっちりと漫才コント。それも、ベテランだからこそリアリティが出せる設定で、若手との違いをしっかりと見せつけている。芸歴の差だな。ウェルカムバリウムをフリにしたオチも上手い。ただ、設定が設定なので仕方がないところもあるのだが、やや下ネタが多すぎたような気も。

  • ザ・ギース【86】

「コント:焼肉」。一人焼肉をしようと入ったお店で頼んだスペシャルなコースメニューは、予告付きの臨場感溢れるもので……。出されるメニューごとに予告があるというシステムのコント。設定そのものは確かに面白いのだが、「焼き肉屋」という舞台と「悪化し始める次回予告」というテーマを重ね合わせたときに想定される展開のセオリーにあまりにも沿い過ぎ。そういう意味では、突然の「となりの豚トロ」は良いアクセントだったが、もうちょっとトリッキーな展開があっても良かったような気もする。テレビ向けに整理してきたのだろうか。

じゃんけんの結果、ネルソンズが五月の月間チャンピオンに決定。

【次回の出場者】

阿佐ヶ谷姉妹

インポッシブル

オテンキ

ジャンゴ

ニューヨーク

やさしいズ

わらふぢなるお