白昼夢の視聴覚室

この世は仮の宿

「エレキコミック結成20周年記念! ~3公演まとめてお得パック~」(2017年11月1日)

2017年に結成20周年を迎えたエレキコミックが2014年~2016年の間に開催した単独公演「等等」「東京」「金星!!」を三枚組のセットにした作品集。“お得パック”といえば聞こえはいいが、単純に売り上げが見込めなかったからリリースを差し止めていただけなのではないか……という疑念を抱かなくもない。とはいえ、もう出ないのだろうと思っていたものを出してくれたのだから、ここは素直に有り難いと言っておこう。うん。有り難い。ちなみに、エレキコミックの単独がソフト化されるのは、『エレキコミック 第23回 発表会「Right Right Right Right」』以来、およそ三年ぶり。

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「新春生放送!東西笑いの殿堂2018」(2018年1月3日)

【スタジオ】

ゆりやんレトリィバァ「昭和の日本映画に出てくる女優さんの喋り方」

日本エレキテル連合ピンクの電話のモノマネ漫才「尼さん」」

ジャングルポケット「コント:バスケの試合終了後」

尼神インター「漫才:女刑事」

ザ・ぼんち「漫才:孫に甘い、遊具の取り合い」

なんばグランド花月

和牛「漫才:返事に困る女性から言われた一言」

中田カウス・ボタン「漫才:ストレスの症状、ペット」

桂文珍「落語:昭和のお父さん」

【スタジオ】

ますだおかだ「漫才:森脇健二が24時間テレビのランナーになったら」

海原はるか・かなた「漫才:時代のスピードについていけない」

三遊亭円楽「落語:フルムーン」

テツandトモ「なんでだろう」

浅草演芸ホール

ホンキートンク「漫才:二人の違い、嵐のラップ」

立花家橘之助「三味線漫談」

柳亭市馬「落語:七福神

【スタジオ】

アキナ「コント:三択クイズ」(平成29年度新人お笑い大賞)

三遊亭歌太郎「落語:庭蟹」(平成29年度新人落語大賞)

【ニュース】

【スタジオ】

タイムマシーン3号「漫才:オーダー・ザ・ライス」

ハマカーン「漫才:こだわり」

桂米團治「落語:茶漬間男」(「正月丁稚」から変更)

【新宿末広亭

ナイツ「漫才:将棋」

山上兄弟「奇術」

春風亭昇太「落語:看板のピン」

【スタジオ】

U字工事「漫才:ラーメン屋」

テンダラー「漫才:父親として子どもに言いたいこと、駅伝」

道頓堀角座

アルミカン「漫才:カップルでやったら楽しいゲーム」

なすなかにし「漫才:心理テスト」

アメリカザリガニ「漫才:近畿地方のテーマソング」

三吾・美ユル「漫才:お互いに対する不満」

酒井くにお・とおる「漫才:食べ物の話」

【スタジオ】

中川家「漫才:からまれたときの対処法」

爆笑問題「漫才:紅白歌合戦、シャンシャン、インスタ映え、トランプ来日、尊敬する人アンケート」

おぼん・こぼん「漫才:高齢化社会、タップダンス」

オール阪神・巨人「漫才:病気、入院、骨折」

全国五か所からの生放送。司会は爆笑問題中川家、アシスタントは雨宮萌果アナウンサー。各地のリポーターにアルミカン、銀シャリ春風亭一之輔、ナイツ、森脇健二、柳亭こみち等。東軍と西軍に分かれてネタバトルを行うという設定はあるものの、対決ならではのピリピリ感は皆無。ご陽気で朗らかなネタ番組だった。ただ、一瞬だけ、ヒリつく瞬間が。大阪からやってきた桂米團治師匠が演る予定だった演目「正月丁稚」を、先に柳亭市馬師匠が「七福神」として演じてしまったのである。とはいえ、事前に何のネタを演るのかは決まっていたわけで、番組の方がネタの内容をきちんと理解していなかったということなのか……どのような背景があったのかは分からないが、なかなかに珍しい事件だった。ちなみに、最後はスタジオの観覧客を三人選出し、東西の勝敗を決する流れに。2対1で東軍の勝利となった。

「映像コントアワード2017」の件。

どうも、菅家しのぶです。

若林正恭(オードリー)と南沢奈央の熱愛報道で日本中が湧き上がっている最中に、海は枯れ、地は裂け、あらゆる生命体が絶滅したかに見えた世界を可視化しているような場末のブログを見に来るような暇人もそうはいないだろうと思いますが、ご報告させていただきます。

先日、某所で開催された【映像コントアワード2017】におきまして、受賞作品に解説文を寄稿させていただきました。そうです。一昨年にやっていたアレです。同賞は、デジタルコンテンツに特化したお笑いカンパニーであるCarrot Inc.が設立したもので、映像コントの普及と発展を目的としております。今回も私は選考には携わっておらず、事前に選ばれた作品にコメントを付け加えるというカタチでの参加となりました。

前回選ばれた作品は玉石混交といった印象で、素直に「面白い!」と感じた作品がある一方で、「これはどういう意図で作られた作品なのだろう……?」と本気で頭を抱えた作品もありました。しかし今回は、以前に比べて多少のクオリティの向上が見られ、なかなかに楽しませていただきました。とはいえ、やはりそのやる気を粉砕しかねない批判をブチかますというのは酷だろうということで、今回もかなりソフトな解説文となっております。麦は踏まなくても育つのだ。

というわけで、今回も受賞作品と解説文を以下に用意しました。年末年始のこってりとしたバラエティにそろそろ飽きてきた身体に、一種の骨休み的な意味合いで触れてみては如何でしょうか。あと、余談として、今回ちょっと個人的に好きだった作品について、本記事の最後に改めて紹介したいと思います。はい。

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「爆笑問題の検索ちゃん 芸人ちゃんネタ祭り!2017」(2017年12月22日)

ミキ「漫才:一晩寝かせたカレー」

オードリー「漫才:CR春日」

東京03「コント:小芝居」

オリエンタルラジオ(RADIO FISH)「東京大革命」

サンドウィッチマン「コント:レストラン」

 東京03・鉄板の営業ネタ「待ち合わせ」を全員で

東×土田×古坂大魔王「懐かしのショートコント」

 アンジャッシュ・若手時代のショートコント

ナイツ「漫才:○っぽい」

アンジャッシュ「コント:犯行計画と事件報告」

中川家「漫才:大人の笑顔、ストレス解消、温泉旅館の従業員」

友近「コント:葬儀社でアルバイト(西尾一男)」

爆笑問題「漫才:今年の漢字、羽生 永世七冠、地方議会の事件、マジ卍、AIスピーカー、歴史の教科書から消える偉人、新しい学校の怪談

司会は爆笑問題小池栄子。他のネタ番組に比べて「攻めたネタ」が演じられがちなことで知られている番組なだけあって、今回もかなり面白いネタを堪能させてもらった。印象に残っているのは、フォーマットが知られていることを逆手に取ってどんどん荒くれていくオードリー、とんでもないオチで客席を魅了した東京03、広げた風呂敷の果てをまったく見せないオリエンタルラジオ、他の漫才師のフォーマットをしれっと盗用したナイツ、不謹慎とナンセンスの狭間で軽快に飛び跳ねた友近……特に友近のネタは面白かった。中年キャラだからこそ常識を踏み越えていくことに妙な説得力があるんだよな。トリの爆笑問題は「新しい学校の怪談」のくだりが見られたので満足。正直、音楽室の葉加瀬太郎とでんじろうがしっかりと対峙する展開まで期待していたのだが、それは多くを求めすぎというものだろう(絶対に太田のスタミナが足りなくなるだろうし) 今年もお楽しみに。

「新春!お笑い名人寄席」(2018年1月2日)

新宿カウボーイ「漫才:大喜利の回答をフォローする」

ロケット団「漫才:今年の漢字流行語大賞、紅白、流行ったドラマ」

テツandトモ「なんでだろう」

サンドウィッチマン「漫才:犬の散歩」

ナイツ「漫才:お前じゃねえよ」

ニッチェ「コント:検尿」

カミナリ「漫才:四コマ漫画

U字工事「漫才:茨城より栃木が優れている理由」

 栃木軍(U字工事)vs茨城軍(カミナリ、磯山さやか赤プル大喜利対決

マギー司郎泉谷しげる「マジックショー」

ケーシー高峰「漫談:女性の陰毛、感じる乳首」

ケーシー高峰内海桂子(+ニッチェ・ナイツ)「コント:診察室」

 昭和の秘蔵映像「海老一染之助・染太郎

 昭和の秘蔵映像「三遊亭圓歌

林家三平「小噺、笑点の人々」

阿佐ヶ谷三姉妹(阿佐ヶ谷姉妹&大林素子)「執事喫茶

青空球児 好児「漫才:さかさメロドラマ」

春風亭小朝「身近な話」

 捕鯨船ロケ(新宿カウボーイ、松村邦洋日本エレキテル連合

ダチョウ倶楽部「コント:ゲームセンターみたいなメガネ屋さん」

ビックスモールン塚田僚一「ボディアート」

 ダチョウ倶楽部vsビックスモールン塚田僚一 トリオ対決

堺すすむ「なんでかフラメンコ(角界の話題を中心に)」

林家木久扇「昭和芸能史」

 捕鯨船ロケ(ナイツ、阿佐ヶ谷姉妹、新宿カウボーイ、松村邦洋

爆笑問題「漫才:忖度、全部抜く、ブラック校則、LINE問題」

司会は東貴博(Take2)と繁田美貴テレビ東京アナウンサー)。浅草演芸ホールでの興行を中心に収録。

正月番組といえばフジテレビ系列の「爆笑ヒットパレード」のイメージが強いけれど、進行や出演者のユルさが故か、こちらの方が如何にも正月といった空気が漂っていて、なんだか居心地の良さを覚える。各芸人のネタも面白かったのだが(ケーシー高峰の下ネタフルスロットルぶりには今年も笑わせられた)、最も印象に残っているのは、ドラマ「三匹のおっさん」の宣伝のために敢行された、マギー司郎泉谷しげるのコラボ芸。泉谷お得意の乱入スタイルに対して何故かキッスで対抗するマギー司郎という構図がなんとも不可思議で面白かった。なんという老人感。あと、大林素子は本当に阿佐ヶ谷姉妹に入っても良いのではないか?というぐらいに画のバランスが整っていた。

あと、少し興味深いなーっと感じたのは、爆笑問題がいつもよりもパワーダウンしているように見えたこと。時事ネタ・コンプラネタを得意とする面々が揃ったせいだろうか。無論、それでも十二分に面白かったんだけどね。

新年のご挨拶。

あけましておめでとうございます。

菅家しのぶです。

 

昨年、最後の記事をDVDレビューで締めることが出来たので、

今年最初の記事もDVDレビューにしようと目論んでいたのですが、

まんまと正月特番にうつつを抜かしてしまった挙句、

めでたい空気から大量のアルコールを摂取してしまったために、

このような挨拶文で茶を濁すこととなりました。

今年もそんなゆるーい感じで更新していくと思います。

コマッタモノデスネ。

 

ところで、私事ではございますが、

2018年3月に芸人DVD収集生活十五周年を迎える運びとなりました。

それに伴い、何かをやりたいと思います。

思っているだけなので、何もやらないという可能性もあります。

むしろ、その可能性の方が高いです。

面倒臭いから。

何か新しいことをやるのが面倒臭いから。

なので、期待しないで、テキトーにお待ちいただければと思います。

では、今年もよろしくお願いします。

 

さて、明日のウメサワー飲もっと。

「和牛 漫才ライブ2017 ~全国ツアーの密着ドキュメントを添えて~」(2017年11月15日)

和牛 漫才ライブ2017~全国ツアーの密着ドキュメントを添えて~ [DVD]

和牛 漫才ライブ2017~全国ツアーの密着ドキュメントを添えて~ [DVD]

 

2017年8月から10月にかけて、全国9都市を巡るライブツアー「和牛がチャンピオンになるための全国ツアー」を敢行した和牛が、同年6月に沼津ラクーンよしもと劇場でDVD収録用に開催したライブの模様を収録。また特典映像として、全国ツアーの舞台裏の模様がドキュメンタリー風に編集されて収められている。

◆本編【65分】

「なぞなぞ」

「ドライブデート」

「宇宙人」

「結婚式」

「ロボット」

「カツ丼の歌」

おっぱい星人

「オネエと合コン」

ティッシュ配りの女の子」

「花火デート」

◆特典映像【30分】

「「和牛がチャンピオンになるための全国ツアー」の舞台裏にカメラが潜入! 普段見ることのできない和牛の素顔にせまる!」

本編では11本の漫才が演じられている。幕間映像を挟み込まないシンプルな構成は、彼らのネタに対する自信の表れなのだろうか。事実、どのネタも完成度が高い。が、とりわけ「M-1グランプリ2015」決勝戦で披露された『結婚式』、「M-1グランプリ2016」敗者復活戦で披露された『手料理』、同大会決勝戦・一回戦で披露された『ドライブデート』、同大会決勝戦・最終決戦で披露された『花火デート』は圧倒的な面白さを見せつけている。『花火デート』で二人が必死になって蛙を探し回っている姿は、何度見ても笑わずにはいられない。無論、それはネタそのものの完成度が高いばかりではなく、彼ら自身が飽きることなく、それらのネタと真正面から向き合い続けている証明に他ならない。芸人がネタに飽きてしまった途端に、そのネタの鮮度は急速に落ちてしまうからだ。

M-1グランプリ2017」決勝戦で披露された漫才『ウェディングプランナー』『旅館の仲居』はそれぞれ未収録。但し、その予兆を感じさせるネタは見受けられる。『ロボット』がそれだ。漫才の舞台は未来の電器屋。なんでも家事をこなしてしまう最新型のお手伝いロボットを購入した川西が、水田演じるご説明ロボットからお手伝いロボットの起動方法から使用方法、モード設定などに関する説明を受けるのだが、その内容がところどころおかしい。とはいえ、一通りの説明を受けた川西は無事にお手伝いロボットを自宅へ搬入、友人の水田に見せびらかそうとするのだが……。前半と後半で水田が別人を演じてみせる構成は、『ウェディングプランナー』のそれを思わせる。視覚的面白さを想像させるくだりも多く、このネタをM-1決勝でかけられていたら……という気がしないでもないが、流石に九分近いネタを半分以下にまとめるのは難しいのだろう。

この他、印象に残っているのが『おっぱい星人』。いわゆる“おっぱい星人”な川西が地球の滅亡を目論んでいる宇宙人と遭遇するのだが、「地球人以外に手を出す気はない。お前は“おっぱい星人”なんだろ? 自分の星へ帰るがいい!」と勘違いされてしまうネタなのだが……終始一貫して“おっぱい星人”を異星人だと勘違いし続けている宇宙人の立ち振る舞いもさることながら、おっぱいの魅力について止め処無く語ってしまう川西の普段のイメージとのギャップがとてもバカバカしく、延々と笑い続けてしまった。……ちなみに、本編には川西がシンプルに異星人と遭遇する『宇宙人』というネタも収められていて、このネタが『おっぱい星人』のちょっとしたフリのようになっているので、視聴する際には合わせてご覧いただきたい。

……というわけで、和牛といえば男女のコミュニケーションに軸を置いたネタを得意としているイメージが浸透しているように思うのだが、実はSF的な設定も得意なのではないかという期待が自分の中で膨らみつつある。『ロボット』にせよ、『おっぱい星人』にせよ、その舞台や状況は未知との遭遇であり、それを川西というツッコミ役を通じて体感するように作られているからだ。現在、そういう設定はハライチが得意としているが(2017年の敗者復活戦で披露していた『未知の生命体が身体に寄生する』は名作!)、その方面に切り込んでいくと、また新たな道が開けるのではないか……という予感がしている。とりあえず、来年のM-1に期待したい。

あ、そうだ。よいお年を!

2018年1月の入荷予定+2017年のリリース総決算

31「ナイツ独演会 味のない氷だった

あけましておめでとうございます。まだ明けてないけれど、どうせすぐに明けてしまうから、事前にあけおめを済ませておきます。無論、予定通りに生きていれば、当日もあけおめるのですが。あけおめ。ことよろ。お互いにとってネット環境に依存し過ぎない健やかな一年になりますように。そんな2018年1月ですが、気になる作品が少ないです。しかも、唯一気になっている作品が、地方公演を観に行っているライブという。なにやら盛り上がりに欠けますが、とはいえ、あのバカで下らないライブを改めて楽しめる喜びはあります。テレビでも披露されていた、様々な芸人のフォーマットをカバーする漫才も収録される筈なので、今から楽しみですね。それはそれとして、amazonで話題の「HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル」が31日にソフト化されるようなので、こちらも気になるところではあります。DVD版とBlu-ray版が同時発売。楽しみですね。

……と、お馴染みの入荷予定情報はここまで。ここからは2017年リリース情報の総決算です。私が購入している・してない関係無く、2017年にリリースされた芸人関係のDVD(※私判断)を総まとめしております。このリストを見て、買い漏らしなどを確認していただければと思います。今年、初めてDVDをリリースした芸人さんも少なくないしね。見逃すな!

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